PiPi's World 投稿小説

魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 68
 70
の最後へ

魔導志 70

リグールは地に降り立つ。竜は完全に標的を目の前の人間に定めた。
「ガォァァァァァ!!」
「憐れな…すぐに楽にしてやる。」
リグールの瞳は金色に、髪がフワリと逆立つ。
竜が火炎を吐き出そうと頭部を上に向けた瞬間、リグールは竜の真下に入り込む。
ドスッ…
持っていた剣を深々と竜の腹に突き刺す。急所の心臓を精確に貫いた。
「グガ…ガァ…ァ…」
竜はゆっくりと倒れるようにひれ伏すと、リグールは剣を引き抜き竜の眼前に立った。瞳は碧に戻り、悲しそうな眼差しを向けていた「許せ…」
リグールは剣を振り上げる。
その時、竜は一言だけ人語を喋った。
「…あ…り…が…とう…」…ザシュッ…
竜の首を斬り落とし、絶命を確認したリグールは剣に付いた血糊をそのままに鞘へ納めた。
ランドルフ達は奮起し戦っているが、数が多すぎて疲労が見えている。この場を突破されるのは時間の問題だった。
「はぁはぁ、もう疲れたよ〜」
「あと少しだよ!みんな、頑張ろう!」
ランドルフ達四人は合流して、お互いに背中を預けている。にじり寄るガーゴイルに魔法を唱えようと杖をかざした時、風の如く現われた人型の獣人と真っ赤な鎧を着た女性が、周辺のモンスターを一瞬の内に切り裂いた。
「…もう大丈夫…。怪我…ない…?」
「あ、アリシスさん!!」「皆様はお退きください。ここからは我等が引き受けましょう。」
この、三つ又の戟を持つ白髪の獣人に見覚えが無い。女性なのは判るのだが…ランドルフは不思議そうな顔で見ると、
「我が名は白虎王。リグール様の式神にございます。さ、急いでください。」
「あ、ありがとう!」
ランドルフ達はアリシス達が切り開いた道を駆け出した。
「…始めるよ…。生かして通さない…」
「御意に!!」
……
それから間もなく、ジンは目を見開いた。額には契約を証、禁断の紋章が浮かび上がっている。
「全員に通達。私の後方へ…。」
「了解しました!!」
メンバーの一人が角笛を鳴らし、3人と2匹に合図を送る。それは勝利を意味していた。
「終わったか…。」
「早く…」
「主、お急ぎください…」獣化した白虎王の背に乗ったアリシス。白虎王が唸るような低い声で催促する。「がはは!!急げ急げ!」「デカブツ!!後で運賃もらうからな!!」
全速力で逃げるオロチの頭の上でデイルは愉快に笑っていた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す