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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 68

「なんだこりゃ…何が起こった…?」
「これは…いったい誰が…?」
振り向いたジンとデイルの目に、杖を構えた少年と天使。
「よかった…間に合った。マウアさんのおかげだよ」「ふふ、無事でよかったですね。お礼は今晩たっぷり…」
ジンとデイルは驚きを隠せない。前に意識が向いていたとはいえ、二人は後ろからの魔力を一切感じなかった。つまり最上級防御魔法を唱えた事より、魔法を打ち出すまでの過程を一瞬で終わらせた事に驚いている。アリシスの「試験生レベルじゃない」は、これを見ての言葉だった。
「おいジン…こいつはいったい…」
考え込むジン、デイルは呆けた顔でランドルフを見ていた。
「ジンさん、リリー達も後から来ます!指示をください!」
「…はっ!邪悪竜の足止めとリグールが来るまでに禁魔法を打てるだけの時間稼ぎを!」
気を失ったマリーはゆっくりと安全な場所まで運ばれる。リリアンと如月も追って到着した。
「はぁ、はぁ、もうっ飛んでっちゃうからびっくりしたよ!」
「ごめん、嫌な予感がしたから…あのドラゴンの足止めとジンさんのために時間稼ぎするよ!」
「おまかせあれ…♪」
如月が呪文を唱え、地面に拳を打ち付ける。
「オロチ!」
地面が割れ、オロチが顔を覗かせる。
「これは…召喚術…。これなら安心ですね。」
ジンが再び意識を集中し始めた。が、ひょっこり顔を出し、荒れ狂う竜を見たオロチの最初の言葉は…
「い・や・だ!竜族なんか相手にできるかバカ!死んじまうだろうが!」
ジンの額に冷や汗が…
「あら、デカい図体してる割には根性がありませんこと…随分と腑抜けね…」
いつもの可愛らしい如月とは別人な程、口調が極端にヒドい。リリアンも唖然としていた。
「このアバズレ!見てわかんねぇのか!あいつの方がデカいだろ!!」
如月は目でリリアンに合図を送る。はっ、と気付いたリリアンはオロチを煽て始めた。
「如月、オロチ君はドラゴンぐらい足止めしてくれるよ!ヒドい事言わないの!」
「ふしゅるるるっ、なかなか聡明な嬢ちゃんだ。わかったかバカ!あんな奴足止めだけじゃなく絞め殺したるわ!あん?」
「さっすがはオロチ☆」
「え?あれ?嬢ちゃん?」「オロチ君、お願いね☆」「…くそ…仕方ねぇ…」
オロチは腹を括ったらしく、ズズズッと地面から這い出てきた。
「グォォォ!!」
「うわぁ…やめときゃよかった…死んだら化けて出てやる…って…てめぇ!人様の頭を土足で踏むんじゃねえ!!」
ふと見ると、デイルがオロチの頭部に乗っかっていた。
「がはは!おまえ人じゃなくて蛇だろう!俺が隙を作るから一気に絡み付け!」「ちっ、わかったよ!まかせたぞデカブツ!」
「おまえの方がでかいだろ!!どりゃぁぁぁぁ!!」頭から飛んだと同時に、オロチが猛スピードで竜へ向かっていく。
ズドンッ!!
デイルが着地と同時に大地に拳を打ち付けると、大地に小さな亀裂が入る。

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