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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 67

「今は誰一人として失えません。戦力的に見ても私達だけで十分ですから、皆さんは見学ですね。」
「よっしゃぁ!行くぞマリー!!」
「…よいしょ。」
勢い良く駆け出すデイルの後ろで、ゆっくり斧を持ち上げたマリーが歩く。
その頃、ランドルフ一行は…
「なんか騒がしくない?みんな砂浜に集まってる…あの船が珍しいのかな?」
「いぇ、この町にモンスターの群れが向かっているみたいですね。」
察知したマウアが北を見る。
「そんな!ボク達も戦わなきゃ!みんな行くよ!」
「うん!!」
ランドルフ達も戦場へ走り出した。
「うおりゃぁ!!」
「グギャ!」
みるみる前衛のゴブリンを叩き潰していくデイル。その後ろをふわりと飛び上がり、マリーが敵陣のど真ん中に降り立った。
「……すぅ〜っ…はぁ!」深呼吸と共に力任せで大斧を振り回す。
「グォォ!」「ガァァ!」一瞬の内にマリーを中心にミノタウロスの残骸が散らばっていく。
「マリー!おまえにばかり楽しませんぞ」
触発されたデイルは盾に付属された刄を外し、地面に両手を付ける。
「地鋼!」
大地が反応を示し、デイルの全体を土が覆っていく。マリーは興味なさそうに的を駆逐していく。
「………」
ジンは一人、元の位置から動かずに禁断魔法の発動に集中している。額からは汗がにじみ出て、顔も険しい。まわりに余裕を見せてはいるが、敵の規模や戦力は並の魔法では抑え切れずに町に近付けてしまう。
完全に駆逐する圧倒的破壊力が必要とジンは判断したのだ。
「そろそろ先鋒のザコは終わりだ。二手に別れて本隊の邪魔竜は無視、その周辺のモンスターを抑えるぞ!!」
「…ん。」
まったく気の無い返事に少しやる気をそがれたデイルだが、後方から感じるジンの強大な魔力とリグールの近付く気配に心が踊る。
「がはは!久しぶりにジンとリグールの本気が見れそうだ!どりゃぁぁ!」
「グオァッ!」
土の密度を極限まで高めた大槌で、オーガより一回り巨大な一つ目のサイクロプスを叩き潰す。
その時、様子を見ているだけだった竜が、強大な魔力に反応して猛突進を始める。狙いは間違いなくジン。「行かせるか!くらえ!」邪悪竜の進攻を遮るべく、前脚に大槌を叩きつける。が、まるでガラスのように大槌が砕け散った。
「グォァァァァァ!」
「な…っ、ぐぁっ!!」
そのままデイルは前脚で離れているジンの後ろまで蹴り飛ばされた。
「くそったれ!!マリー!!退け!」
蹴るだけで纏っていた大地の鎧が砕ける破壊力。マリーの鎧ではひとたまりもない。
「行かせない!」
マリーが斧を振りかぶり竜の正面から斬り掛かる。
「駄目です!マリー!!」「グォォォ!」
竜は口を大きく開き、燃え盛る火炎を吐き出した。ジンがドラゴンの火炎を防げる程の魔法障壁を生み出す間もない。マリーの目に火炎だけしか見えなくなった瞬間
「ネフルシルド!」
後方からの声と共に、光り輝く大きな両手がマリーを優しく包み込む。
吐き出された竜の火炎はその両手に遮られた。

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