PiPi's World 投稿小説

魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 64
 66
の最後へ

魔導志 66

「…複雑です…自分自身、正義を疑い迷う時がありますから…」
「もう…みんか何のために戦っているのかわからないじゃないの。子供達のためにも、あなたは正義の味方じゃなきゃ…」
少年が一人、駆け寄ってきた。
「ねぇ、お兄ちゃん!どうやったら兄ちゃんみたいに強くなれるの?」
「…そうだな…毎日修業を…」
真面目に答えようとするリグールを遮り、サーシャが答える。
「それはリグールが優しくて思いやりがあるからなの。ダン君も強くなりたいの?」
「うん!お兄ちゃんぐらい強くなって、みんなを守る騎士になるんだ!」
「ですって☆」
「そうか…騎士…か。よし、稽古をつけてやる。」
「やった!お〜ぃ!兄ちゃんが稽古つけてくれるって〜!」
リグールは少年に弟の面影を見たのか、頭をクシャクシャと撫で少年達の輪へ入って行った。
見守るサーシャの隣に、美しいシスターが並ぶ
「ふふ、子供達はあなた方が来ると大喜びです。私達も嬉しいですわ。」
「シスター・アメリア、彼は、今晩もまた戦いに赴きます…今は心を安らげてあげたいんです。」
「そうですか…私も彼に助けていただいた身ですから…。あの…」
「どうしました?」
「不躾ですが、サーシャ様は…、リグール様の恋人なんでしょうか…?」
「え…っ!」
「ふ、ふしだらかと思われるでしょうが…助けていただいたあの時に…心奪われてしまい…その…いつもご一緒のサーシャ様が恋人なのかと…」
「あ〜…え〜っと…」
「いえ!薄々気付いてはいるんです!でも確かめたくて…」
「…昔、婚約してました。今は破棄となりましたが、全てが終わった時に…」
「そ、そうですよね…」
「…」
その時『狂』のメンバーの一人が孤児院に飛び込んできた。
「リグールさん!大変です!モンスターの群れが!」
騒めくシスターと子供達。サーシャも慌ててリグールの傍に寄る。
「…状況は?」
「アリシスさんの誘導で町人は砂浜に避難しています!デイルさんとジンさん、マリーさんがメンバーを率いて町から離れ、迎撃に向かっています!モンスターの群れを率いているのは邪悪竜です!!急いでください!」
「今日は来客もあるというのに…。わかった。武器をとってすぐに向かう。サーシャ様とシスターは子供達を連れて今すぐに避難を」「あ、リグール!気を付けて!」
リグールは振り返らずに走りだした。
「おやおや、これはまた大規模な群れですねぇ。久しぶりに力を解放できそうですよ。」
「邪悪竜は俺達じゃ倒せないな。リグールが来る前に雑魚を潰すか。」
「…異論なしです。」
身の丈よりも長い杖を携えたジンは、魔力の解放を始める。デイルは盾に刄を付属した特殊な武器を手に取り、手甲のように装備した。重々しい鎧に身を包んだマリーは、背中の巨大な斧を地面に突き刺す。
「始めましょう。私が合図を出したら、逃げて下さいね。」
「わかった。他のメンバーへの指示はないのか?」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す