PiPi's World 投稿小説

魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 63
 65
の最後へ

魔導志 65

「わぁ〜♪すごいすごい!海って初めて♪」
リリアンは真っすぐ波打ち際へ駆け出し、如月は微笑みながら後を追う。
ランドルフが砂浜に打ち上げられた大木に腰掛けるとマウアも隣に座り話し始めた。
「ランド様、この町は貴族の領主による圧政から解放された町らしいですね。」「ボク達も貴族だよ…。」「ふふ、わかってますよ。貴族の全てが民に圧政を強いる訳じゃありません。前王と現王に問題があるのでしょう。それが一部貴族の横暴へ繋がり、民の末端にまで影響するのです。」
「…ボクに何ができるんだろう…」
「ふふ、ランド様は難しく考え過ぎなんですよ。ご自分の為さりたい通りにすればよろしいのです。」
「そんな自分勝手に動けないよ…」
「私はランド様がどんな決断をとっても傍を離れません。リリーちゃんも如月も同じでしょう。」
「…」
「せっかくの魔力をお持ちなんですから…あ、リリーちゃんが呼んでますよ?」「え?」
「ランドーっ!こっちに来て!見た事ない旗の船が近づいてくるよ!」
リリアンが指差した先に、大型の軍用船が見えた。それがジュウドの船だとは分からなかった。
その頃、リグールは町外れにある孤児院に到着した。「あぁー!仮面の兄ちゃんだ!わぁ〜っ!」
数人の少年少女がリグール目がけて突撃してくる。
「…。」
「これ!仮面だなんて失礼ですよ!」
後を追ってきたシスターが子供達を叱り付けた。
「だってこの兄ちゃん、ぜんぜん笑わないんだぜ〜、仮面付けてるみたいだよ」「リグール様、申し訳ございません…彼らに悪気はないのです」
「いえ…サーシャ様は?」「中で子供達の面倒を見ていただいております。どうぞ」
通された先で、サーシャと子供達は楽しそうに遊んでいた。
リグールはその光景を眺めながら、少しだけ微笑む。気付いたサーシャは笑顔で迎えた。
「あ、リグール。」
「サーシャ様、お迎えにあがりました。」
「あら、もうそんな時間なの?」
「えぇ〜っ!お姉ちゃん、もう少しだけ遊ぼうよ〜!子供達の駄々が始まると、サーシャ困った顔でリグールの表情を伺う。いつもの厳格な表情だ。
「…夕暮れまでまだ少し時間がありますからよろしいですよ。」
「ありがとう。」
「仮面の兄ちゃんも一緒に遊ぼうぜ〜!」
「まぁ…うふふ、仮面のお兄さんも一緒にいかが?」「…わかりました。」
この子供達の半数以上がサーシャ達の手で奴隷から解放され、孤児院に引き取られた子供達。
「わがなはりぐーるだぁ!じゆうのけんをうけてみろぉ!」
「わたしにかてるかな?はっはっは〜」
目の前で少年達がチャンバラをしている。サーシャとリグールはそれを見守っていた。
「てぇ!」「やぁ!」「ぐわ〜、や〜ら〜れ〜た〜」「せいぎのけんをみたか〜!」「つぎはぼくがりぐーるだよ〜!」「やだよ!もういっかいこくおうしろよ〜!」
「…」
「ふふ、すごい人気ね。」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す