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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 61

「久しぶりだ。ランドルフ、リリアン」
ジンの隣に座った青年が言葉を掛けてくる。
「リグールさん、本当にお久しぶりです。」
「お兄様がいつもお世話になってます!」
「彼女達は?」
「あ、二人は僕達の式神、マウアさんと如月さんです。」
マウアと如月は軽く会釈をする。
「…ジン、明日の作戦に彼らを同行させよう。」
「これはまた、いきなりですね。現状を知るには最適な条件ではありますが…」「あの…」
「詳しい話は夜にするか。サーシャ様を迎えに行ってくる。」
リグールは立ち上がりさっさと出ていってしまう。
「あ…」
「やれやれ、気難しいですねぇ。とりあえず、2階が宿になってますから荷物を置いてきて下さい。部屋は酒場にいるデイルに聞いて下さいね。」
「はい、わかりました。」四人は階段を上がり、先程会ったデイルに部屋を聞くと…「ジンが君達は大部屋一つでかまわんって言うから一部屋しか用意してないぞ!」との事。
とりあえず向かってみると思っていたより広く、綺麗な部屋だった。
「いい部屋ね。」
「えぇ、今晩はランド様に頑張っていただく事に…」マウアと如月が何やらヒソヒソと会議をしている。
コンコン
「はぁぃ」
リリアンが返事をすると、ジンがドアを少し開けて顔を覗かせる。
「みなさん、少しよろしいですか?」
「ジンさん、どうしたんですか?」
「実は、先に紹介しておきたい人がいるんですよ。マリー、」
ジンの後ろから顔を覗かせたマリーは、リリアンと視線が合い、後ろに隠れてしまう。
「?」
「彼女はマリー、見ての通り恥ずかしがり屋で…。」「初めまして、マリーさん♪」
リリアンが明るく挨拶をすると、マリーは照れて顔を赤くしながら軽く頭を下げる。
「あ、とりあえず入って下さい。」
ランドルフが招き入れようとするが、ジンは苦笑いで遠慮する。
「いえ、すぐに済みますから。実は彼女、マリーは私の婚約者なんですよ。ですから仲良くしてあげてくださいね。」
あっさりと言うのは父親譲りだろう…リリアンは口を開けたまま固まっていた。「そうなんですか☆マリーさん、僕はランドルフです。よろしくお願いします」深々と頭を下げたランドにマリーはさらに深く頭を下げて答える。そしてジンのマントの裾を軽く引っ張った。
「あらら、もう限界ですか。では私達は失礼しますね。夜までは自由に町へ出ていいですから」
そう言い残しジンとマリーは去っていった。
「ジンさん、婚約者までいたんだね」
「喜ばしい事ですわ」
「主?もしも〜し」
「…あ…婚約者がいたなんてビックリ…でもお兄様、嬉しそうだったからなんか嬉しいな♪」
我に還ったリリアンは笑顔で返事をした。

その頃のセガルド…
「うぉぉぉぉあああ!」
「セガル様!」
「セガルド!もう少し!」影縫いにより、指一つ動かせなくなってから既に3時間が経過してしまっていた。

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