PiPi's World 投稿小説

魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 56
 58
の最後へ

魔導志 58

「…セガル様…?」
「俺が…ランド達を倒してでも止める。」
「ランド様…」
「マウアさん、セガルの式神達をお願いします。僕達はセガルを倒してでも行かなくちゃならない。」
「御意に!!」
マウアとゼシカの声が重なると同時に、イリスは如月を抑えるべく、ゼシカから離れた。
「いくわよ!ゼシカ!」
「来い!!」
マウアが高く飛び上がり、さらに高く両手を掲げると、空間が歪みを生み、その中から巨大な槍が生み出されていく。
ゼシカは普段着を脱ぎ捨て、強大な魔力を練り上げ、
具現化させる。それは徐々に形を成していき、マウアの槍と同等の巨大な暗黒剣を造り出した。
「聖槍メティニル!」
「魔剣アンサルード!」
放たれた二つの刄は、お互いの中心で激突した。どちらの力も譲らずに強く、槍と剣は唸りながら均衡を守っていた。
「あなたが私の相手を?」「悪く思わないでね。」
イリスは如月に剣に向ける。如月は鬼人族特有の呪文を唱え始めた。
「?、何してるかわかんないけど…いくよ!」
イリスが直進するのを見計らい、如月は両手を地面に付ける。
「蛇縛!」
「え?きゃぁ!」
地面から湧き出た数多の蛇がイリスの体にまとわりつく。
「残念でした。あなたでは私の相手は無理ですね」
「…なんちゃって、ね!」イリスはあっさりと数多の蛇を吹き飛ばす。
「なっ!?」
「残念ながら、こんなのあたしに効かないよ。セガルドのおかげで強くなっちゃった☆お姉様だって…」
驚く如月の向こうでは、ゼシカの暗黒剣が徐々に巨大化していた。
「な、ゼシカ!あなた!」「マウア、魔族の特性を忘れたのか?」
ゼシカの表情には余裕が、マウアの表情には焦りが見える。
しかし、勝利と言うものは常に強者が取得すると言えばそうではない。
弱者には弱者なりの戦い方が存在する。
それに有効なのが、相手の隙を一瞬で突く。これだ。
幸いゼシカにもイリスにも、余裕があるからかこちらを小馬鹿にしている感がある。
それ即ち、油断していることに繋がる。
ゼシカはとにかくイリスなんて隙だらけである。
そこをマウアと伽月は見逃さなかった。
マウアは身を翻し両手をイリスに向ける。
「マウア!」
力の差はそれ程にない。しかし、ランドルフの命令のためにはゼシカだけではなくイリスも抑えなくてはならない。
ゼシカの暗黒剣は聖槍を打ち破るが、勢い余り目標のマウアをかすめていった。「残念ながら、あなただけを相手にしている訳にはいかないわ。あなた達を抑えれば私達の勝ちよ!」
「こっちも同じ事!貴様等にセガル様の邪魔はさせない!」
「はぃ!提案がありますわ!」
如月が手を上げる。
「なんなの〜?」
「お互いに何もしないで、主達を見届けませんか?」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す