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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 57

「…じゃあ仕方ないな。」少年は両手にナイフを構え、次々と投げていく。が、いくら投げても角材にあっさりと弾かれてしまう。
「はぁはぁ…さすがですね」
「そりゃどうも。ま、終わりだ。」
「え?あぅ!」
気付かない内に背後へ廻り込んだゼシカが、首に手刀を振り下ろす。少年は意識を失い倒れこんだ。
「まったく…」
「命はとらずとも再起不能にしましょうか?」
「いや、ほっとこう。わけありみたいだからな」
「セガル様…優しいですね…」
顔を赤らめながらうっとりするゼシカ。何を言っても好感を抱くのだろう。
「さ、帰ってセフィの家に行くか。また正装しなきゃだなぁ…」
「セガル様の正装は素敵ですからね☆」

「…くそ…あいつとリグールを倒さなくては…姉さんが気付く前に…」
二人が去った後、意識を取り戻した少年は苛立った様子でその場を後にした。


数日後のルクードの正面門、旅立つランドルフ達を見送るセガルドとセフィリア。ゼシカとイリスは留守番をしている。
「ほれ、餞別だよ。」
セガルドはランドルフに金色の腕輪を二つ手渡す。
「これは?」
「まじないだ。できる限り装備しておけよ。必ず役に立つ。」
「ありがとう、大事にするよ。」
「セガル、私にはないのかしら?」
「昨日、バカ高いプラチナリングをやっただろ…しかもゼシカとイリスの分も…このままじゃ破産するぞ」「セガル、頑張ってね。僕達はもう行くよ。」
「…待て。今から俺は職務を全うする。ランドルフ、力ずくでも止めさせてもらうぞ。」
「ごめんなさいね…。セガルが決めた事だから反対できないの」
「え?」
セガルドとセフィリアはそれぞれが武器を構える。
「悪いが、敵になるとわかりながらお前達を行かせはしない。これもある意味では餞別だ。」
「リリー…闘える…?」
「あたしはもう、覚悟はできてる…。」
「それはよかった。いくぞ!」
ガギンッ!
セガルドは紅月の逆刄をランドルフに振り下ろす。が、リリアンの瞬剣に受けとめられた。
「迅い…さすがだ。」
「(これが瞬剣…?鞘から抜いた瞬間にセガルの刀を受けとめる事ができる…。なんて軽さなの…)」
「リリー!」
「大丈夫!これなら負けないよ!」
ギィン!
セガルドの刀を弾き、ランドルフの前で構える。
「ち、セフィ!」
「あと30秒稼いで!」
セフィリアは後方で魔力と集中力を高めはじめた。
「ご主人様!」
「主っ!」
外で待っていたマウアと如月が戻ってきた。
「セガル様!」
「ご主人様ぁ!」
ゼシカとイリスも様子を見に来てしまったらしい…
「ち、仕方ない…。ゼシカ、イリス、奴らを抑えてくれ。俺達はランドとリリーを…」

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