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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 56

「イリス…人前でエッチがどうこう言っちゃダメだぞ…」
「でもセガル様、魔族にとって愛情は不可欠です。やはりエッチの回数が減れば、それだけ魔力が低下してしまいます…」
「まさに死活問題だな。」「その問題を解決する方法ならあるじゃないの。」
「?」
「私とイリスがセガルの家に住み込むの。」
「それがいいよ♪決まりね!」
「う〜む…俺は全然OKだが、セフィのお父様はなんて言うだろうか…」
「あら、大丈夫よ。お母様は私の味方だから。」
「あ、ついでにセフィの家に挨拶に行くか!」
「いいけど、身だしなみはキチンとしてもらわなきゃダメ。」
「…」
「セガル様…」
「気付いたか?」
セガルドとゼシカから笑みが消える。イリスも何やら察知したらしい。
「ねぇ、これって…」
「間違いなく殺気だ。」
「どうしたの?」
「イリス、セフィを連れて先に帰っててくれ。ゼシカは…」
「私は、もうセガル様を見守るだけでは我慢できません。ご一緒します。」
「そっか…相手が誰かわからんが武器が欲しいな…」「セガルド、早く帰ってきてね!」
「セガル、部屋の掃除をしておくから」
二人は何度も振り返りなが
ら、来た道を戻っていった。
「さ、相手が仕掛けやすいように行きましょう。」
と、言いながら恋人気分を味わいたいのか、セガルドの腕に組みつく。そんなゼシカを見たお陰で、全身の無駄な力みが消えた気がした。
「しかし何者だろうな」
「大丈夫です。十分に倒せる力ですから」
「…ゼシカはアーク級だからきみより強い方がめずらしいぞ…」
会話を弾ませながら、わざと人気のない路地へ歩く。ゼシカが笑顔を向けた瞬間、後ろから投げナイフがセガルドを目がけて飛んできた。が、ゼシカの魔力に遮られてあっさりと地に落ちる。
「セガルド・アーカイヴさんですね…?」
ナイフの飛んできた方向から声がした。ため息混じりに見てみると、自分と変わらない年ごろの少年が一人…
「あのな、確認する前に仕掛けてくるなよ。」
「すみません。不躾ですが、あなたの命を貰い受けます。」
「おまえは誰だ?」
「答えられません。」
「じゃあ、理由は?」
「答えられません。」
セガルドは道に落ちている角材を拾いあげた。
「そんな武器で勝てるつもりですか?」
「いや、おまえぐらいなら武器もいらない。が、素手に負けたとなれば可哀相だからな。」
「大した自信家ですね」
「違う。お前が弱いだけだ。俺が自信家ならお前は過信家だな。」
苛々を発散するように挑発的なセガルドと見守るゼシカ。二人の余裕を少年は感じていた。
「…一つだけいいか?」
「なんですか?」
「どうして、俺がアーカイヴだと知ってる?」
「自分はバージルですから。」
「バージル?」
「正確にはアーカイヴ『一族』ではなく、『一族』を治めるのがアーカイヴ。バージルはアーカイヴに忠誠を誓い、分家として扱われた一族です」
「だから俺を殺すのか?」「はい。大切な人を守るために…」

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