PiPi's World 投稿小説

魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 48
 50
の最後へ

魔導志 50

「バレましたか。」
「ムカつくぜ!いつになったら俺にも王子様が現われるんだ!」
「似合わず乙女チックなのは変わりませんね」
「うるせぇ!さっさと帰れ!俺は寝る!」
「わかりました。では、最終段階に入ったら『毒』をお願いしますね。」
「わかったっての!シッシッ!」
ルカはジンに手の甲を向け、払うように動かす。
「はいはい。では、また」ジンはフードを被り、骨董品屋を後にした。
「さて、用事は終わりました。ウルスの町に帰りますか。」
独り言の様に呟くと、闇から重々しい鎧を身に纏った女性が現われる。
「ご実家に顔をださなくてよろしいんですか?もうルクードには…」
「今は両親に逢えませんから。」
「そうですか…。」
「全てが終わったら一緒に逢いに行きましょう。あなたとの婚姻の件も話さなくてはいけませんからね。」「…」
「どうしました?」
「嬉しいです…」
「マリー、帰りましょう。同士達が待っています。」「はい。」
二人は寄り添うように闇に消えた。
「不覚だ。まさか家まで追い掛けられるとは…」
その頃、セガルドは腕組みをしながら苦笑い。セフィリア父がテーブルにずっしりと腰掛けセガルドを睨み付けていた。
「お父様、駄々こねないで早く帰って欲しいんだけど…」
それぞれが私服に着替えセガルドの家に集まっている。現在、イリスとゼシカは入浴中。
「セフィリアは黙ってなさい!!セガルド君、私も大人だ。君達の婚約には反対しないでやろう。だがしかぁし!我がクラウス家に婿入りだけはしてもらうぞ!」
「困ったなぁ…」
「急に心境が変化したみたいね。」
「跡取りに恵まれない中、剣聖クリスの婚約者が婿入りすれば、我がクラウス家は…ふっふっふっ…」
「お父様、心の声を口に出してはダメ。」
「ぷぷぷっ!」
セガルドは笑いを堪えきれず吹き出した。
「なっ!?しまった!!」「それに、セガルはクリス様と婚約してないよね?」「あぁ、俺はクリス様と初対面でしたから。」
「なんだと!?私は確かに見た!君が…君…う〜む…」
髪型を戻し、私服のセガルドを見て自信がないのか、考え込むセフィリア父。
「もういいでしょ?これからセガルと寝るから帰って。」
「セフィ…わざわざ「俺と」なんて言わなくていいじゃないか…」
「あ、口が滑っちゃった」「…私も泊まる!!今日は帰らんぞ!!」
「げっ!」
「お父様、お母様と妹達がまってるわ。帰らなくちゃ。」
「ぬぬ…」
「それに明日は元老会議があるんじゃないの?」
「ぬぬぬ…。仕方ない、帰る。」
セフィリア父は特に文句を言わず帰っていった。
「意外とあっさり引き下がったなぁ。」
「これ以上、邪魔は悪いって思ったんでしょ。一応、夫婦になる男女なんだから。」
「そうだな。セフィ〜」
「なにかしら?」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す