PiPi's World 投稿小説

魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 47
 49
の最後へ

魔導志 49

「ふ〜ん…なんだが訳ありって感じですか?まさか…昔の男とか…」
マウアがランドルフに小声で話し掛ける。
「違いますよ。彼女のお兄さんに会ったんです。」
「リリアン様、お兄様がいらっしゃるんですか?」
「うん…家を出ちゃったけどね…」
「よし!リリー!今度こそ踊ろう☆」
「うん♪ありがとう…ランド…」
「ぁら、羨ましいわ。ご主人様ぁ!次は私!」
「その次は、もちろん私ですよね?」
「…セガルもこんな大変なのかなぁ…」
一人呟くランドルフだった。
舞踏会が終了した頃、ジンはセガルド行きつけの骨董品屋に足を踏み入れた。
「こんばんは」
「いらっしゃぃ」
枯れた声で老人が出迎えたのを見て、ジンはクスクスと笑いだす
「ルカ、巧く変装できてるじゃないですか。」
「けっ、したくてしてるんじゃねぇよ。」
「おやおや、お爺さんはそんな言葉使いしませんよ」「うるせぇ!ババァよりはマシだと思ったんだ!」
「なんだか容姿と言葉が合ってないんで話しづらいですね。」
「けっ、仕方ねぇな。」
骨董品屋の爺は、服の裾を掴んで上に引き上げる。「バサッ」と音をたて、一瞬の内に爺が若い女性に変化していた。
栗色の長い髪をかき上げ、切れ長の目を擦る。眠いようだ。
「また凄い格好ですね」
「これか?東から仕入れたんだ。なんでも時代の裏を生きる忍び集団の女達が着ている忍び装束って名前で…」
「いやいや、長くなりそうですから説明は結構です」「けっ、だったら話を振るんじゃねぇよ。んで、何の用だ?」
「首尾は?」
「バカ王や豚共の動きは、まったくない。クリスの奴がリグールの弟を第一騎士にしやがった。」
「セガルド君を?」
「アーカイヴの血を王国側に気付かれないように匿ってやる気だろうな」
「なるほど。」
「そのセガルドってクソガキだが…」
「どうかしたんですか?」「高かった妖刀とコテージ7つも含めて10ゼニだとよ。ふざけてやがる。」
「随分とサービスしたんですね。」
「ちげぇよ!あの野郎、巧みな話術で気付いたら…」「どうせ店を誉められたり煽てられて調子に乗ったんでしょう。成長しませんね。」
「うるせぇ!あんにゃろ…いつか体で払わせてやる」「セガルド君に手を出したら、リグールが黙ってませんよ。」
「けっ、知れた事だ。リグールの弟の割には、面はいいからな。ふふふ…」
「はぁ…とにかく動きがあったらすぐに報告して下さいね。あと1年は必要ですから」
「天才軍師なんだろ?もっと早くしろよ。ジジイは疲れるんだ。」
「はいはい。善処しますよ。いいですか?クリスの動きは特に気を付けて下さいね。」
「あいつは思い詰めると何するかわからないからなぁ。ジン、お前の嫁さんは元気か?」
「もちろん。時々、奴隷の日々を思い返すみたいですが…」
「待てぇぃ!どうせこの会話はノロケに発展するんだろ?聞きたくもねぇ。」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す