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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 46

「お兄様になんて言われても…あたし達は自分で決めます。」
「リリー…」
「そうですか…。残念なような嬉しいような…不思議な感覚です。立派になりましたね。リリアン」
「はぃ…お兄様…」
「ランドルフ君、いつもリリアンが世話ばかり焼かせているでしょう?」
「そ、そんな事ありません!あの!」
「お兄様!」
「二人そろってどうしました?」
「あたし達、結婚するかもしれないです!」
「おや?随分と唐突ですね。勿論、私は反対しませんよ。父上や母上にも報告してあげて下さいね。」
「はぃ!お兄様、ありがとう…」
「もう一つ…セガルド君に何か変化はありませんか?リグールと兄弟ゲンカをしたみたいなんですが…」
「セガル、リグールさんと会ったんですか!?」
「あたし何も聞いてません!あいつ!」
リリアンとは試験当日から会ってないだろ!とセガルドがこの場にいたら間違いなく言うだろう。
「まぁ落ち着きなさい。リグールは大人気なく力を解放したらしくて…サーシャ様は一晩中大変で…」
「え?」
「おっと、こっちの話です。セガルド君は騎士に?」「はい。試験は無事に合格しましたよ♪」
「…リリアン、わかっているんですか?」
「え…?」
「セガルド君が騎士に、君達が『狂』に参加したら…」
「ボク達は…敵…」
「そうです。幼き頃からの友人が敵同士として再会する事になる…。その事もよく考えて、自分で決めなさい。」
「…。」
「逃げてもいい。誰も君達を責めたりはしません。いや、逃げるのが最善かもしれない。自ら狂う事ができる人間だけが我らと共に」「…まずは知りたい…」
「うん、お兄様やリグールさんが何故、国に反旗を翻したのか…」
二人は自然と手を握り合い、お互いの決意を確認し合った。
「そうですか。では、私はこれからやる事がありますから…二人を待っていますよ。ランドルフ君、リリアンを幸せにしてあげて下さい。茨の道でも、二人一緒なら前に進めるはず。」
「はい、もちろんです」
「お兄様…また…」
ジンはフードを被り、どこかへ立ち去った。
「ジンさん、変わってなかったね…」
「うん。なんか安心した♪さ、会場に戻って踊ろう」二人は仲良く宮殿の中へ戻って行った。


「知らなかったわぁ、あなたがクリス様の婚約者だったなんてぇ」
「あれには深い訳があるんだ。一言で言うなら…やられた。」
「一夫多妻は認められてますから…」
「あれだけ踊るのは嫌だって言ってたのにクリス様とは踊るのねぇ」
…その頃、セガルドはセフィリアに責められ言い訳に困っていた。ゼシカの弁護も認められていない。
「だから婚約なんかしてないの!あれは勝手に!」
「ふ〜ん…しくしく…私とは踊ってくれないのね…」「う…」
「あぁ〜っ!!ご主人様を泣かせた!!セガルドひどい!!」
「しくしく…ぐすっ…」
「兄上…僕は困っています…。明日は晴れるかなぁ」「セガル様…現実を見た方が…」
「ぐすんっ…踊ってくれないのね〜っ…」

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