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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 40

「我らの同士になる際には、ご家族や友人との別れを…」
「わかっています。それは『知って』から決める事ですから…」
「では…」
男は静かに去った。
「…家に帰ってからタキシードを探さなくちゃ☆」
「そうだね。うん♪今はゆっくり楽しもう!」
ランドルフの力…未だ眠る強大な力…。
彼は知らない。自分の力の恐ろしさをまだ知らない…

次の日の宮殿
「遅いわね…」
「もうすぐ始まっちゃいますよぉ」
出入口で待つ純白の慎ましいドレスを着熟したセフィリアと、可愛らしい水色のドレスに身を包んだイリスがセガルドとゼシカを待っていた。
そんな二人は既に何度も男達に声を掛けられ、出入口で待つのは少々嫌気がさしていた。
「よぅ。わざわざ待ってたのか。」
「こんにちわ。セフィ様、イリス」
「え?」
現われたセガルドを見て、セフィリアとイリスは驚いた。
髪をオールバックに固め、タキシードに通した細身の体に端整な顔立ちは、気品さえ感じる。
ゼシカも、豊かな胸元が少しだけ開いた漆黒のドレスに身を包み、美しい顔と黒髪によく似合っていた。
「あ…」
「どうした?」
セフィリアは頬を赤らめ黙り込んでしまう。
「なんだぁ?イリス、なんかあったのか?」    「う、うぅん…何でもない…ぽい…」
イリスもセフィリア同様に真っ赤になり、セガルドの顔をポーッと見ていた。
「ふふ、お二人とも素敵ですよ」
「そうだな。とても似合っているよ。」
「あ、ありがと…」
「ね、ねぇセガル」
「ん?どうした?」
「その格好の内にお父様に会ってくれない?」
「なんか引っ掛かる言い方だが…まぁいいか」
「ゼシカとイリスはちょっと待ってて」
セフィリアはセガルドの腕を組み、歩きだした。
「見て…セフィリア・クラウスと一緒に歩いてる人…」
「素敵…二人ともお似合いね…」
「あいつは誰だ!俺達のセフィリア様を!」
そんな中を歩くセガルド。「セフィ、なんか周囲の視線が…」
「うふふ♪」
セフィリアはニコニコと笑顔だ。舞踏会がそんなに嬉しいのだろうか…と、セガルドは考えていた。
「あ、お父様」
セフィリアの前に厳格そうな紳士が…
「…セフィリア!なんだその男は!」
「どうも。セガルドです」セガルドは、いつも通りマイペース。
「彼は将来を約束した人なの。試験にも合格したわ」「貴様!私の可愛いセフィリアを誑かしおって!」
「確かにセフィは可愛いですし、知性溢れる素敵な女性ですからね」
「ほほぅ、なかなか見る目ある若造だな。」
嬉しく思いつつ、巧い!とセフィリアは思った。
「しかぁし!結婚はゆるさん!まだ早い!いや、早すぎる!」
「そんな…シクシク…」

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