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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 37

それから2年後…
「バルデス将軍!!」
「これは何事だ!?」
「敵襲です!!攻め手は1名!第8騎士団リグール・アーカイヴが刄を向けました!!」
「なんだと!?奴め…ワシの力で出世させてやったものを…さっさと殺せ!」
「無理です!騎士団員の9割が既に逆賊の手で!今すぐ脱出…」
ゴトリと音を立て、側近の首が床に転がる。
「バルデス…死をもって断罪しろ。」
金色の眼がバルデスを睨み付ける。
「貴様!狂ったか!ワシに刄を…」
「そうだ。俺は狂った。貴様のお陰でな。そして…」「ワシを侮るな!?あ?」
バルデスの両腕が床に転がる。
「うぐぁぁぁ!腕が!ワシの!!」
「貴様は殺す。弱き者の悲しみ、憤りを思い知れ。」「待て!金ならある!奴隷を売り捌いた金が!全部やる!騎士団長にも推薦…いや、将軍の席を!」
「いらん。俺はもう騎士ではない。ただの狂った逆賊だ。死ね。」
「待て!ぎゃぁぁぁぁ!」「…オラン…ネリー…すまない…俺は…地獄へ落ちる…。お前達の処へは行けない…」
その時、バルデスの部屋にクリスが飛び込んできた。「リグール!貴様って奴はなんて事を!」
「クリス…来たか…」
「リグール…」
地塗れの部屋、全身に返り血を浴びた金色の瞳を持つ者に、クリスは言葉を失った。
「クリス…お前も来ないか…?サーシャ様と俺達で国を変えるんだ…」
「…無理だ…。私はヴェルナード家の…」
「そうだったな…。次に出会う時に俺の邪魔をするならば…殺す。」
クリスは剣を抜き、リグールに向ける。
「次はない!逆賊リグール・アーカイヴ!貴様はこの場で捕縛する!抵抗するなら…この剣で…」
「殺す…か?クリス、お前には無理だ。」
「何を…」
「俺は殺せる。今のお前は俺と互角。殺せないなら死ぬのはお前だ。」
「白虎王!!」
リグールに呼ばれ、窓が割れる音と共に白い虎が現われた。
「ジンとアリシスの首尾は?」
「万事滞りなく。ジン様は第2、第6魔導団を壊滅。アリシス様は第5、第7騎士団を全壊、及び将軍1名を討ち取りました。」
「俺も行くか。今日だけで騎士団と魔導団をできる限り潰す。最後にサーシャ様を迎えに行くぞ。」
「御意に…」
「待て!!リグール!!」「クリス…肩の力を抜け。国に絶望したら…来い!」リグールは虎と共に消えた「…何故だ…私は何故ヴェルナードに生まれたんだ…。この国は…病んでいる…」
「サーシャ様…お迎えにあがりました…」
「リグール…後悔はしてない?」
「はい。」
「実はちょっぴり嬉しかったり…」
「何故ですか?」
「弟君は一人前になったのかしら?」
「…一人で生きていく事はできるはず…」
「じゃあ…私達も安心して狂えるわ…」
「行きましょう。」
アリシス・シルヴァ、特A級重罪人。ジン・ローファル、S級重罪人。リグール・アーカイヴ、特S級重罪人。この三人が反王国組織『狂』の創設メンバー。
誘拐されたサーシャ姫と、リグール・アーカイヴの婚約は破棄。
そして…袂を別った私…。

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