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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 35

「俺だ!リグールだ!2年前に孤児院を飛び出したリグールだ!」
「あ…あ…リグール…?帰ってきたの…?」
オランは唇を震わせ、リグールの顔を手でなぞる。
「なんでこんな姿に…オラン、何があった!?ネリーは!?兄弟達は!?」
「ごめんよ…話せないんだ…」
「何故!?頼む!何でもいい!」
クリスとアリシスは固唾を延んで見ていた。
「…そうだね…リグールは家族だもんね…。セガルドはいないの?」
「あ、あぁ…今日は来ていない…」
「そっか…大きくなったと思うから会いたかったな。顔を見る事はできないけど…」
「…」
「いいかい…?この事は内緒だよ…?」
「あぁ、頼む!」
「リグールとセガルドがいなくなってから、俺たちは淋しかったけど生活は続いていたんだ。ある日、この村に騎士が何人か来てさ…孤児院が人身売買を斡旋してるって…」
「事実だったのか?」
「うぅん…結局は判らず仕舞いだった。それから数日後に…今度は、誰か知らないけど将軍が率いる騎士団が来たんだ。」
「将軍…?(この任務はバルデス将軍からの…)」
「それで…孤児院に乗り込んできてさ…弟達が…」
「弟達が…?」
「…騎士団に次々と斬られていったよ…。カイトも…シュウも…みんな…俺も右腕と右目を…」
「馬鹿な!!何故!?」
「…俺は辛うじて生きてたんだ…。そして見たんだ…ネリーや妹達は…奴に犯されてた…。将軍って呼ばれていた奴に…。リグール、俺は聞いたんだ…奴が…「この孤児院はもう使えない。売場は他に変えるぞ」って…。奴が…奴が指示を出して俺達の弟や妹を売ってたんだ…。許せない…殺してやりたいよ…。奴だけは…」
「…今の話に嘘偽りはないな…?」
「俺の右腕と目を見ればわかるでしょ…?」
「…そうだな…」
クリスには信じられなかった。誉れ高き騎士団の将軍が人身売買を行なうとは思えない。しかし、嘘を言っても少年に利は無い。
「それで…ネリーや妹達は広間に集められ…火を放たれた…。奴は、帰る前に村人を一人残らず集めて、この村に孤児院は存在しなかったと念を押して帰ったよ…」
「…。」
「でも、リグールとセガルドが無事でよかった。この村でゆっくりできるの?」「すまない…」
「そっか…リグールは今、何してるの?」
「こいつは騎士だ」
「クリス!!」
アリシスが怒りを露に大声をあげる
「隠しても仕方ないだろう。私たち三人は騎士団に所属している」
「…リ、リグール…?…嘘だよね…?君は…」
「俺は…俺は第8騎士団所属、リグール・アーカイヴだ…」
「嘘だ!!…リグールは昔からみんなに冗談ばかり言ってた…みんな楽しそうに笑ってたよね…でも、今はそんな余裕ないから…」
「本当だ…」
「違うっ!!」
「違わない!!俺は騎士だ!!」
「なんで!?なんでだよ!なんであんな奴等の仲間になったの!?僕達の家族を奪ったんだよ!!リグール!!」
「…知らなかったんだ…」

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