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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 34

旅は順調に進み、予定どおり二日でルードの村に到着した。
「変わってないな…昔のままだ。」
「…昔って…2年前じゃないの…?」
「2年で変わるわけないだろう。まったく…」
3人が村に入ると、何故か村人の視線が集まる。
「なんだ?明らかに見られてるぞ」
「…見返すと視線をそらされる…なんで…?」
「騎士が珍しいんじゃないのか。」
「まぁ、孤児院を調べるだけだろ?さっさと終わらせて休暇に入りたいもんだ」「…サーシャ様に会うのかなぁ…?」
「弟べったりじゃ姫も可哀相だ。お前はもう結婚できるだろう?」
「弟が一人前になってから進展するんだよ!ほっとけ!」
「…でも…私、見たよ…」「ほほぅ、何を見たのか知りたいな。」
「あ、アリシス!?」
「このあいだの…夜…中央広場…サーシャ様とリグールが一緒でね…」
「ふむふむ、夜の広場で逢引きか。それで?」
「待て!アリシス!お腹すいてないか?今なら…」
「…ちゅぅしてた…」  「…ぷっぷぷぷっ!リグール、なかなかどうしてやるじゃないか。お前にしては頑張ったな」
「…」
「…その後…笑顔で手を振ってさよならしてたよ…。リグール…すごい間抜け面だったね…」
「あははは!私も見てみたかったなぁ。」
「ぐぐ…だいたいお前らはどうなんだ!えぇ!?」
「いいの…。時がくるまで…待つから…」
「私は違う。死ぬのは戦場だ。男を知る必要がない」「…」
「リグール…?」
「そんなに怒るな。王には黙っておいてやるから」
「…ない…」
「え?」
「孤児院がない!」
「は?」
「確かに此処にあったんだ!!何故だ!?」
「知るか。記憶違いじゃないのか?」
「いいや違う…確かに此処だ!」
リグールは、いきなり走り出した。
「おぃっ!待て!」
クリスは急いでリグールを追い掛けた。
「はぁっはぁっリグール、単独行動は控えろ」
リグールは一心不乱に地面を掘り起こしていた。土の中から錆びた短剣が出てくる。
「やっぱりここだ…。これは俺と弟と孤児院の友達で庭に埋めたんだ。」
「どういう事だ…?孤児院がなければ調べようがない…」
「…ねぇ…今…村の人達に聞いたんだけど…この村には今も昔も孤児院なんて無いって…」
「そんなバカな!」
「落ち着け!お前が言うんだから間違いなく此処に孤児院があったんだろう。」
「ネリーは…オランは…みんな…」
「この任務…バルデス将軍からの勅命なの…だから…何か…あるはずなんだけど…」
「わからない…何があるんだろうか…。リグール、とりあえず宿を…」
不意に後ろから声がした。「誰です…?ここに何か用でも?」
後ろに棒を持った少年がいた。片目に包帯を巻き、片腕もない。
「あの…ここに…孤児院があったはず…知りませんか…?」
「まさか…オラン!オランか!?」
リグールが少年に駆け寄る「誰?俺の知り合い?悪いけど…片目も全然見えないんだ…」

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