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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 30

「食事の支度をしよ♪」
「うん。あのさ…どんな道を歩んでも、ボクはリリーを必ず守るからね。」
「ふふ、期待してる♪」
笑顔のリリアンを見て、自然と笑顔がこぼれた。


「お待ちください…兄上…」
「セガルド。貴様には小さいが家を残す。…血を捨て一人で生きろ」
「いやです…」
「俺と同じ道を歩むな。貴様は聖騎士に向かない。知らず平穏に暮らせ」
「俺も一緒に…」
「貴様は来るな!自愛しろ。兄として、また会える事を切に願う」
「兄上…兄上!!」
「行かないで…セガル」
「ご主人様…」
「セガルド…」
「セフィ…ゼシカ…イリス…」
「セガルド。貴様の力が欲しい。俺と来い。」
「俺は…俺は…っ!」
ハッと目が覚めた時、見た事のある天井が視界に入った。
「コテージ…?俺は…っ!セフィ!ゼシカ!イリス!」
辺りを見回すと、黒髪の女性が椅子に腰掛けたまま眠っていた。
「うぅ…」
ゆっくり体を起こしてみると、頭、首、胴と包帯だらけ。特に首と脇腹が痛い。「よかった…ゼシカ…」
重い腕でゼシカの黒髪を撫でると、少しづつ目蓋が開いていく。
「ゼシカ、おはよう。少し…やつれたか…?」
ゼシカは瞳に涙を溜めながらふるふると顔を横に振り、セガルドの手に自分の手を添える。
「…セガル様…」
声を出した瞬間、涙がぽろぽろと溢れた。
「心配かけた。ごめんな」「セガル様!」
「うわっぷ!」
ゼシカはセガルドを抱き締め、豊かな胸に顔を埋めさせる。
「本当によかった…もう目を覚まさないのかと…」
「気持ちいいんだけど…少し苦しい…」
「あぁっ!申し訳ございません!」
「ははは、」
「セフィ様とイリスを呼んで来ますね」
ゼシカが広間へ向かった
「…セガルド〜っ!!」
「な、なんだぁ?ぐぇっ」
ドアを壊す程の勢いでセガルドの胸に『何か』が突撃してきた。
「うわぁ〜んっ!セガルドぉ!もう起きないのかと思ったよぅ!」
イリスはセガルドの胸にしがみつき大声で泣きじゃくっていた。
「はは、大げさだよ。よしよし♪」
セガルドはイリスの頭を優しく撫でながら苦笑いしていた。
「ひっく…ひっく…うぅ…セガルドぉ…」
「イリス…こっちに…」
「ふぁ…?お姉様?」
ゼシカとセフィリアが揃って寝室に入ってきた。
「セガル…」
「セフィ、心配かけた。悪かったな」
「うぅん、いいの…。」
「こっち来ないのか?」
「えぇ…。セガル…何日も高熱が続いたのよ…?」
セフィリアはセガルドの近くへ。
「そっか…寝てたからわからなかったが…」
「私…心配で…心配で…」セフィリアの瞳から大粒の涙が零れ落ちる。
「セフィ…」
「だからセガル…よかったわ…本当によかった…」
「ん…ありがとうな…」
セフィリアを優しく抱き寄せ、泣き止むまで抱き締めていた。

「…それで、あれからリグールは?」
落ち着きを取り戻したセフィリアとゼシカは、セガルドのベットの横に並んで座っていた。
が、何故かイリスはセガルドに添い寝している。

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