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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 29

女性、アリシスを中心に八方へ無数の雷の矢が放たれる。
「オル・シルド!」
ランドルフは杖を掲げ、4人の眼前に魔法障壁を生み出す。
「すごいわ…でもダメ…」魔法障壁は雷の矢に簡単に破られ、それぞれの体をかすめていった。
「そんな…魔力に差がありすぎる…」
「あなた…すごい…。試験生レベルじゃないわ…その力…『狂』に欲しい…」
「狂?」
「私と来ない…?そうすれば…あの女の子は見逃してあげる…。」
「ランド!この人は危険だよ!」
「決めるのはあなた…私は彼女や彼女の式神程度なら簡単に…」

「ご主人様、私はあなたについていきますから…」
「ボクは…」
「知らないなら知るためにも来るべきよ…。弱者が虐げられる姿…腐った国の現状を…。あなたの力が国を変える力になるの。」
「ランド…あたしはどうなってもいいから、お願い…」
リリアンは祈るような思いでランドルフを見つめた。「…ボクは…そんな力に為れるほど傲慢じゃない…。ボクはリリーを守る!」
「あなたの力…私が開花させてあげれたのに…」
「ランド!一緒に戦お!あたしも頑張るから!」
「私もお手伝いします。」「全てはご主人さまの意のままに」
「あなた達ではダメ…。私には勝てないの…。でも…あなたの力…再起不能にするには惜しい…。来るだけでいいわ。あなたが今を見て、決めてほしい…」
「だいたい狂ってなんなの!?」
「力なき弱者、全てを奪われた者達の矛になる。この王国を変革させるの…」
「反乱軍!?」
「そう…。私たちは少数。でも必ず成し遂げる。邪魔をする者は…容赦しない。リリーさん…あなたも来る?」
「あ、あたし…?」
「今は力が欲しい…。あなたが来れば彼も来る…」
「…時間を下さい…」
「ランド!?」
「いいわ…今から1ヵ月後の夜…迎えに行く…ランド君…って呼べばいいわね…?」
「…」
「リリーさんも考えて…?じゃあ…またね…」
アリシスは現われた時と同様、静かに歩き去った。
「ランド…どうするの?」「わからない…リリー…もしも、もしもあの人の所へ行くなら、一緒に来てほしいな…」
「…うん…ランド…ずっと一緒だよ…」
「主、今日はもう休みましょう…今は休息が必要です。」
「そうだね…湿っぽい顔してないで!ほらっランド、テントはるよ♪」
「う、うん!」
ランドルフは作業をしながら一人考えていた。
「(知らないなら知るためにも…?何を…?ボクの力を弱い人達のために…?ボクの力…?リリー…君はボクを必要としてくれているよね…?セガルは…?他の皆は…?なんだかわかんなくなってきた…)」
そんなランドルフを見たリリアンは、思わず声を掛ける。
「ランド…?」
「…あ、リリー。どうしたの?」
「あんまり考え込まないでね…?あたしにとってランドは誰よりも大切で必要な人なんだよ?」
「あ…ありがとう…リリー…」
まるで心を見透かされたような気がした。

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