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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 28

「兄…上…」
セガルドは意識を失った。「女、貴様にはまだ用事がある。」
「ご主人様に手出しさせないよ!」
「リグール!もうやめて!」
「サーシャ様!?白虎王!何故まだ近くにいる!」
「申し訳ございません。サーシャ殿が…」
「お願い…ここで帰りましょう…。これ以上の殺生は私が許しません…」
「…わかりました。貴様等、邪魔だけはするな。あと…弟を頼む。」
リグールは白虎王の背に乗り、風のように去っていった。
「セガルっ!セガルっ!しっかりして!」

「セフィ様、少なくとも肋骨の骨折、全身を打撲しているはずです。コテージを出して休ませましょう。そちらの女性もです。」
「セガルドぉ…。お姉様…大丈夫だよね…?」
「体の傷は大丈夫…。とにかく今は休ませるのよ」
「うん…」

セガルドが力の片鱗を解放してから既に5日。今だに目を覚まさないセガルドを余所に、ランドルフ一行に忍び寄る『狂』の刺客。
「あと2日しかないね。今日はどうする?」
「あたしはランドに任せるよ♪」
「とは言っても何もする事ないからね。一つ気になるんだけど…」
「どうしたの?」
「試験開始から、もう6日。他の試験生を一人も見ないって不自然じゃない?」「広いからじゃないの?」「もしくは…他の生徒は皆モンスター等にやられたかですね。」
如月が会話に入る。
「う〜ん…それは考えたくないなぁ…」
「なにやら森が騒ついてるわ。」
「マウアさん?」
「ご主人様、胸騒ぎがします。今日は少し移動しませんか?」
「私も賛成致します。天使族の胸騒ぎは無視できません。」
「…もう遅いわ…」
「誰!?」
静かに木の影から現われた美しい女性。血のように紅く胸部に大きなルビーをはめ込んだ鎧、風になびく栗色の髪、腰には双剣を携えた女性の瞳は、堅い決意に満ちた翠色だった。
「あなたは…誰…?」
「私の名はアリシス。あなた達には、ここで再起不能になってもらうわ…」
「えっ?何言ってるの?」
「お二人とも、下がって下さい!」
如月が前に出て、懐から苦無と言う名の短刀を取り出す。
「邪魔をしないで…誰も殺したくないの…抵抗しないで…。」
「何がどうなってるの?」「わかんないけど…戦うしかないみたい」
「ご主人様!逃げますよ!今のあなた方では歯が立ちません!」
「ダメ…逃がさない。オル・ライドルガ…」
女性の手に小さな雷球が生み出される。徐々に大きさを増していき、女性の体が巨大な雷球に飲み込まれていった。
「まずい!皆!伏せて!」

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