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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 25

「きゃぁ!!」
全力で走ってくる女性が躓き転倒した瞬間、人影が手にした長剣を振りかぶり襲い掛かる。
「ちっ!マズい!」
紅月を鞘から抜き、転倒した女性の前で構えると、何者かの一撃を受け止めた。そして相手の顔を見た瞬間、愕然として呟く。
「あ、兄上…」
「お前…セガルドか。やっと逢えたな。」
その端正な顔立ちの青年は、碧い瞳に、どこかセガルドに似た雰囲気をだしていた。
「セガル!何を固まってるの!!」
セフィリアが離れた位置から呼び掛け、ゼシカとイリスも角、翼と尻尾を生やし戦闘態勢に入る。
「兄上…生きていたなら何故…」
セガルドが剣を交えたまま、話し掛ける。
「お前、まだ力が目覚めていないのか。」
「何を言ってるのか…よくわかりません…」
「愚かな弟よ。竜を狩るアーカイブの血は闘争にこそ意義を成す。俺と供に来い。」
「自分は…」
「ファイオル!!」
「…ちっ!」
兄弟の間にセフィリアの放った火球が割って入る。
「女、貴様も試験生だな。他は魔族か。その女は殺す。邪魔をすれば皆殺しだ」「兄上!!」
「セガルド、貴様の成すべき事は俺が教えてやる。黙って見ていろ。」
「ご主人様!あいつは危険です!今ならまだ…」
「ダメよ。セガルを置いて逃げれないわ。それに…兄上って…」
「セガル様…」

「何故…試験生を襲うのですか…?」
「今のお前には説明しても無駄な事だ。女、覚悟はいいな?」
「…何故だ…」
「なんだ?何か言ったか?」
「あんたはどうして勝手なんだ!俺自身を捨て、次は俺から奪うのか!」
「セガルド、邪魔をすればお前でも容赦しない」
「黙れ!」
「仕方ないな。セガルド、お前には失望したよ。」
「俺はもうとっくの昔に失望した。」
「減らず口を…」
「兄上…いや、リグール・アーカイブ!彼女達は俺が守る!貴様に手出しはさせない!」
刀の切っ先を、兄リグールへ向ける。
「セガル…」
「面白い。セガルド・アーカイブ、貴様の力を見せてみろ」         リグールは手にしている長剣を捨てる。
「今の貴様には武器すら必要ないだろう。好きに踊るがいい」
「お姉様…セガルドじゃ勝てないよ…。私にはわかるもん…」
「わかってるわ。でも、私達が動いたらセフィ様が危険なの。セガル様は彼女を守れと命令するはずよ…」
「いいえ、セガルは勝つわ。彼の負けるとこなんて見たことないもの…。気になるのはアーカイヴよ。貴族にしか家名はないはずだけど、王国の貴族の中では聞いた事のない家名だわ…」

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