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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 210

「わかった、頭を叩けばいいのね。」
「ですが、こちらは手負いの貴女にグッタリな俺。リーダー格までは手が届くかどうか…」
「四の五の言ってる余裕は無い!いくわよ!」
「おわっ!」
白虎王が力強く大地を蹴る。ゴブリン達を飛び越え一気に突っ走っていく。敵を蹴り飛ばしながら進むと、広場に陣を張るゴブリン達が見えた。
「見付けた!」
「おぉぉぉっ!すげぇはぇぇっっ!?っがっっ!」
広場に足を踏み込む寸前の所で、太い枝に額をぶつけたリグールが地面に落下した。
「ぐおおぉおっ!!」

顔を押さえのたうち回るリグールの前に、ゴブリン達が道を開けた。間からリーダー格と思われるゴブリンキングが剣を手にやってくる。
「グフフ、ニンゲン、ニンゲン。シロイノモ、クウ。モットクウ。ニンゲン、シロイノ、クイタイ。」
「ご、ごめんなさい!大丈夫!?」
「ぉぉぉ…っと、大将のお出ま…」
リグールがピタリと止まる。ゴブリンキングの背後には、無惨な姿となった人間の遺体が転がっていた。男女と子供が二人分の…
「ウマカッタ。トクニコドモ。オンナモウマイ。」
「てめぇぇぇ…」
リグールの変化に白虎王は気付いた。瞳の色が碧に変わり、力が目に見える程に高まっている。
「グフ、グフ、イママデモイッパイイッパイクッタ。イロンナニンゲンクッタ。クウトツヨクナル。アタマヨクナル。モットクイタイ。」
「黙れっ!てめぇだけは絶対に殺してやるっ!!」
「オマエモナカマイッパイイッパイコロシタ。ユルセナイ。オレ、オマエコロス!」
白虎王は静かにリグールに戟を渡した。
「一騎討ちだ。」
他のゴブリン達も息を荒げながら見ている。
「(勝負は見えている…。この男…ただの人間とは思えない。)」
「コロス!コロス!コロスー!ウガァァ!…アッ!?」
手にしたシミターを振り上げ、ゴブリンキングはリグールに飛び掛かった。が、一瞬の内に放たれた戟に胴を貫かれ背後の大木に串刺しになった。
「アガッ!?ガッ!ガッ!イダイ!イダイ!」
脅えるゴブリン達の間を、リグールはゆっくりと歩いて近付く。
「ヒィッ!ヒィッ!ノロッテヤル!貴様ノロッテヤル!」
「黙れ。」
リグールは拳を握ると、ゴブリンキングの頭を一撃で殴り潰した。
「ギァッ!ギァッ!」
蜘蛛の子を散らすように逃げ出すゴブリン達。白虎王は動かずにそれを見ていた。
「終わりました。頭を潰せば森から出て住民を連れ去る事は無いでしょう。」
「そう…か。強いな、リグール。」
「いえ、まだまだ。俺には目指してる女がいて、もっと強くなりたいんです。」
戟を引き抜き白虎王を渡すと、リグールは意識を失い彼女の胸に倒れた。
「私のために寝ずに戦ってくれたんだね。ありがとう、リグール。」
リグールを抱き締め、白虎王は小屋へ引き返した。

「…なんだこれは…」
充分に睡眠を取り瞼を開いたリグールの目に飛び込んできたのは、初めて見る女性の乳房だった。
「ん…おはようリグール。よく眠っていたね。」
「………」
何度も白虎王の顔と豊満な乳房を交互に見て、リグールは飛び上がった。
「ぶわあっ!し、し、失礼しました!こ、こんな形で一晩の過ちを!」
「何を言っているの?夜は冷えるから貴方を暖めていただけよ?」
毛布が落ちるとお互い裸だった。
「し、しかしですね!裸で暖めなくたって!」
「恥ずかしかった?人間が裸は恥ずかしいなんて知らなくて。ごめんね?」
「あ、いえ…ありがとうございました…(すまんサーシャ…これはノーカウントにしてくれ…)」
「でもちょっとビックリしたわよ。寝惚けておっぱい吸ってくるんだもん。」
「えっ、えぇーっ!」
「私も初めての感覚だから困っちゃった。」
「(なんで覚えて無いんだ!俺のバカバカ!いやっ、そうじゃない!サーシャすまん!)」
「ふふ、ありがとうリグール。護ってくれて。」
リグールの手を引き胸に顔が埋まるように抱き締める。
「うんんん!」
男の性か、リグールの男根は元気に反り立ってしまった。
「あら、発情しちゃった?」
「んぐんぐ!」
顔を振って否定したくても、獣族最高位の力で抱き締められては身動きが取れない。

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