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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 201

「な、何をしてる!?」
「さぁ、目覚めなさい、紅雫…」
しばらくして紅雫は起き上がると、辺りを見回す。その姿は紅い髪、紅い目と紅月と似ているが、少し若く、また服装も遥か東国の鎧を着ていた。
『私の主人は…お主か?』
「いいえ、貴女のご主人様はこの娘ですよ…」
『そうか…娘、名は?』
「ラ、ラクゥ…」
『ラクゥ様……認識しました。そしてそちらは…姉上か?』
『ふふっ…ええ、そうよ…あなたのお姉様♪』
答えたのは紅雫を二回りほど成長させた姿で、王族の寝る時に着るような露出度の高いシースルーの女性であった。
「で、どうします?弟子になりますか?」
「…やっぱり断る。お前は嫌な気配を感じる。」
そう言うとラクゥは立ち去った。
『あらら…フられちゃいましたね?』
「ええ…では帰りますか?」
ヴェイルはスッと空気に溶けた。




『…テテュス様。主はお帰りになりました…』
「あら?では私達もお暇しましょう。皆さん、お先に失礼します…」
テテュスとスフォルツェンは会場出口へと歩いていった。
「…行っちゃった。」
「ははは、ヴェルナルド君はマイペースだね。ランドルフ君、君はこれからどうするかね?」
「セガルとジンさんを待ってそれから決めます」
「そうかい、じゃあ私は帰るかな」
ジュダは立上がり、出口へ向かう。
「あっ、お父様!…」
「ソラ、お前はセガルド君を待って皆さんと帰りなさい…」
「……はい」
ソラは少し悩んだすえ頷いた。
「リリー、セガル達が来たらどうしようか?」
「ん〜、あたしはリグールさんの予選を見てから帰りたいな。参考になるかもしれないし♪」
「だったらそろそろだよ。ほら…」

「草原か、足場は悪くない。」
見晴らしのいい大草原に立つリグールの手には木刀が握られていた。その姿を99人の選手が見ている。
「コイツが狂のリグールだぜ。やれば名が上がるぞ。」
「あぁ、いくらリグールでも俺達が束になれば勝てない相手じゃないはずだ。」
「よっしゃ、どいつが穫っても恨みっこ無しだぜ?行くぞ!」
最初に飛び出した一人を合図に、他の選手も我先にとリグールへ仕掛けた。
「…。」
その場から動かないリグール。木刀を構える事無く立っている。
「もらったぁっ!くら…」
ゴスッ!
「ぎゃっ!」
「不合格。次、」
リグールは、背後から斬り掛かった選手を木刀で叩き伏せた。
「このやろっうっ!」
「ぐぇっ!」
「あぎゃっ!」
バキッ!ドガッ!ゴッ!
「不合格。不合格。不合格。次、」
ガッ!ゴッ!ズゴッ!
「不合格。不合格。不合格。不合格。次、」
仕掛けた者は、例外無く一撃で叩き伏せられていく。リグールは力量を計っているようだが、倒れる者が30人を越えても、未だに合格者は一人もいない。

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