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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 199

「どうするもこうするも何が何やら…」
「え、えぇー!時間止まってるよね!?どうして動くの!」
紅雫の力にまったく影響を受けていないジンとセガルドにラカゥは抗議の声を上げる。その間に、紅雫の力は失われ時間は再び動き出した。
「予めデイルから情報頂いてましてね。警戒してた訳です。その武器を触媒にして時間を操作してるんですか?」
「そんな事より…どうして動くのよ…」
ヴェイルが難しい表情でラカゥの問いに答えを出した。
「フィールド…ですね。絶対的に他の力による干渉を断つ結界…」
「正確ですよヴェイル君。」
「しかし…これは魔族の、それも魔王始め一握りの者にしか許されない力だ。どうして貴方が使えるのか…」
「ふふふ…秘密ですね。あ、そうそう、仕事を忘れてました。可愛いお嬢さんと思いきや、かなりの実力者のようです。セガルド君、彼女なら(軍に)誘っても大丈夫と思いません?」
微笑みながらラカゥを見るジン。
「(えっ?えっ?何々??もしかして…ジン様と…それとも隣のセガルドって人と…いや〜んどうしよ〜♪どっちもカッコいいよ紅雫〜♪)」
『…殺しなさい…殺しなさい…殺しな……』
(分かってるわよ。お腹が空いてるんでしょ?しゃあ…セガルド君から♪)
ラクゥは大鎌を構えるとセガルドへと振り下ろす。
「うおぉっ!?」
セガルドは瞬時に紅月で防ぐと斬り返す。
「へぇ…やるじゃん♪」
ラクゥは三歩下がり、間合いをとる。
「でもね、時間操作が作用するのはあなた達だけじゃないの…私もよ!」
ラクゥはセガルドの後ろに回り込む。しかし、ラクゥの回りの時間が操作されているためセガルドは目で追いきれない。
「くそぉっ…」
セガルドはなんとか紅月で受け止める。
「頑張るね♪でもっ!」
ラクゥは鎌の軌道をセガルドの首へと作る。
(ヤバッ…腕が追いつかねぇ…)
セガルドが数瞬先の死を思い描いたが…

グラッ…

セガルドの、ジンの、ラクゥの身体が宙へと投げ出される。
「へっ?」
セガルドが混乱し、見た世界は上も下も左右もわからない空間であった。
「いけませんよ、ラクゥ…標的にしたならとどめを刺さないとね♪」
「ヴェイル君、君でしたか…これは魔法ですか?」
「ええ、空間魔法エルストレーナ。神様の血と一緒にもらった大魔法です♪」
メキ…メキ…
「大魔法ですか。ならば少し勉強して頂きましょうか。触媒を経由した魔法と純然たる魔力により魔法の威力の違い…空間と世界の違いを…」
キーンッ!
指を鳴らすジン。空間の内側からさらに自らの世界で打ち破る。そこは、四季の花に彩られた美しい花畑。

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