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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 192

「開放?」
ランドルフはヴェイルに尋ねた。
「ええ、同化や覚醒とも言いますがね。ダイダロスの作品は武器の状態が第一段階、そして第二段階へと進化するのですよ」
(まぁ、第三段階もあるんですがね…ふふっ)
ヴェイルは酒杯を傾け、一気に飲み干した。
「セガルド君の場合は装備、装着型のようですね。剣にも鎧にもなる、優れ物です」
「それ以外にもタイプがあるんですか?」
「ええ、空間を支配したり次元を崩壊させたりといろいろね。一つ言えることはどれも、強力で無二ってことですよ」
「(セガル…君はどんどん強くなっていく…)」
無意識に親指の爪を噛んでいるランドルフ。
一方…
「おや、セガルド君は突破ですよ。まぁ当たり前ですか。」
「……」
「私達の出番はもう少し先ですね。」
「……」
「マリー、人混みが苦手なのはわかりますが…」
「…………」
「困ったさんですねぇ…」通路で出番を待つジンは、困った笑みを浮かべていた。マリーがジンのローブに潜り込み、背中にしがみついている。ジンは満足に身動きが出来ない。

そして…
「はぁ…はぁ…はぁ…なんなのよ…なんなのよ…私は辺境で秘宝でも探してるっての…?バッカみたい…」独り悪態をつきながら、深い森の中で道なき道を進むレイラ。額からは汗を滲ませ、フラフラになりながらやっとの思いで岩に腰掛る。
「はぁ〜…疲れたぁ……夕暮れには帰らなきゃマキが心配しちゃうわね…。あ〜もうっ、ヴェイル!覚えてなさいよ!この苦しみを100倍にして味あわせてやる〜っ!!」

「ふぁっくしょん!んん?なんだか背後に死の気配が…」
「死の気配って…それって結構ヤバイんじゃないですか?」
「ええ、ヤバいですね。て言うかヤヴァいですね…」
ヴェイルの額に汗が滲む。
「ランドっ!ただいま!」
セガルドとセフィリアが戻って来た。
「お帰り!予選の予選、突破おめでとうっ!」
「いや〜…四体現れた時はどうしようと思ったけど、土壇場で紅月が開放できて良かったよ」
セガルドはそう言いながらゼシカの隣りに腰掛けた。
「でもセガル、強くなったね」
「おう!師匠のシゴキのお陰で剣の腕も上がったしな」
そこへ…
「やあ!セガルド君…まずは予選の予選、合格おめでとう。」
「あっ…義父上!」
そこにはジュダとソラがいた。
「解説の方はいいんですか?」
「ああ、クリスに任してきた。それにしても…まぁ、よくも私の像を粉々にしてくれたね。」
「うっ……は、腹が…すみません、義父上。便所に行ってきます…」
そう言うとセガルドは紅月を抱え、駆け足で去って行った。
「ふむ、逃げられたか…」
「お父様が意地悪するからよ…」
「はっはっはっ…冗談だよ、冗談。おっ…ヴェルナルド君、横の席を借りるよ?」

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