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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 190

「むぅ…あれは…」
「分ってますよ、アリシス姉さん。それでも面白かったんですよ、とってもね…
そんなことよりもセガルド君の試合、始っちゃいますよ?」
「あぁ〜ほんとだ!ヴェイルさん、ここ良いですか?」
「ええ、どうぞ…」
ヴェイルはアリシスとメリルに席を勧めた。
「ん?なんで酔っ払ってんの?」
メリルはランドルフに尋ねる。
「ええ、実はヴェイルさんに付き合ってたら…」
「あちゃぁ…ヴェイルさんって殺人級にウワバミだからね、アリシスさん?」
「うぅ…恥ずかしい話しを思い出させないで…」
アリシスは頬を赤らめそっぽを向いた。
「どうです、メリルさんも呑みます?」
「はい♪」
ヴェイルは酒杯をメリルに渡し、なみなみと注いだ。


光が消えるとそこは高原だった。
「セフィ、大丈夫か?」
「ええ…で、私達が倒すべきなのはアレね?」
まるで元からそこにあった様に微動だにしないジュダ像を指差し、言った。
「そうみたいだなっと」
セガルドは紅月を抜き放ち、構える。
「俺が時間を稼ぐからその間にアレの動きを止めてくれ」
「わかったわ」
セフィリアが呪文を唱えると同時にジュダ像は向かって来た。
セガルドはジュダ像の剣を防ぐ。
「はぁ…義父上を斬るみたいで嫌だなぁ…っと」
さすがはセガルド、ジュダ像に引けを取らない。いや、推している。
ジュダ像の剣が上からくれば、防ぎ斬り返す。薙払おうとすれば、一歩下がり躱し、鋭く首を狙う。
「セガル…退がって」
「おうっ!」
「オル・グラビオン!」
通常の何十倍もの重力がジュダ像にかかり、ジュダ像は地にはいつくばる。
セガルドはジュダ像の首に紅月を突き付ける。
「すみません、義父上…後で何か言われそうだなぁ…ではっ」
紅月を降り下ろした。
「……のかぃ?」
セガルドの紅月がジュダ像の頭上でピタリと止まる。
「私を…」
「私を…」
「私を…斬るのかぃセガルドくぅん!!」
気付かぬ内に転送された3体のジュダ像、その全てがセガルドに向き直り、一斉に叫ぶ。
「ヒドイじゃないか!」
「ヒドイじゃないか!」
「ヒドイじゃないか!」
「うわわわ!」
追い討ちをかけるように四方からジワジワと距離を詰めるジュダ像達。
「ジュダ様はセガルを精神的に攻めるつもりだったのね。まさか喋る機能があったなんて…」
セフィリアは動じず囲まれたセガルドを眺めている。
「…面倒臭い人ねぇ…」
??
セガルドの頭に女性の声が響く。ジュダ像に囲まれながら辺りを見回すが、声の主と思えるような人はいない。
「こんなのに惹かれたなんてぇ…」
「だ、誰だ!?」
「私よ…名前を呼んで…」「アカ…ツキ…?」
セガルドの呼び声に呼応した紅月の刀身に、多数の瞼が現れその瞼が見開かれる。
「な、なんだぁ!?」
「内緒の言葉♪…ヒソヒソ…」
「カイ?」
紅月の瞳が一斉にセガルドを見る。ぐにゃりと形を変えた紅月がセガルドの胸に突き刺さった。
「うぉ!?」
「どぅ?カッコイイでしょ?」

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