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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 178

「君ぃ!…アリシス君だろっ?偽名でのエントリーは認めないぞ!」
「さて…なんのことやら…でござる」
「そうにゃのよ。スシリア様にゃのよ!」
「いやいや…スシリアって、ただ逆さにしただけだろ!よって君達は失格!」
「そんにゃ〜」
騎士達に抱えられ、退場させられるアリシスとメリル。
「……でござる…」
「は?」
「はにゃ?」
アリシスが何かを呟く。
聞き取れない若い騎士とメリルが聞き返すと、アリシスの眼光が鋭く光る。
「触るなでござる!!」
アリシスの声と同時に放った衝撃波により、両脇の若い騎士とメリルは魔法障壁際まで吹き飛ばされた。
「にゃぁぁぁっ!」
「わああああっ!」
空中でくるりと体勢を整え着地するメリル。背中から地面に叩き付けられた騎士は、白目を剥いて失神していた。
「あ…あわわわ…アリシス君が乱心した…」
慌てるジュダ、そこへ…
「リグールにお任せ下さい。」
「どわっ!ジン君、いつから後ろに!?任せると言ってもどうするつもりだね?君もそろそろ予選の予選が…」
「わかっていますとも♪」
一方… 
「…つい…うっかりでござる…。さ、メリルちゃん…逃げなさい…」
「にゃ?」
ガギンッ!
次にメリルが見たのは、素早く双剣を抜き疾風のように横を通り過ぎたリグールの剣を受け止めるアリシスだった。
「…やっときた…」
「貴様…何のつもりだ。」
「わかってるクセに…待ちきれないの…」
クスッと微笑むアリシス。
「なんだなんだぁ?面白い展開になってきたじゃねぇか。姫、俺達も混じってやろうかぁ♪」
「あ、だめよ八咫ったら…」
意気揚々と剣を交える二人に近付こうとする八咫の後ろで、獣の唸り声が聞こえる。
「グルルルル…」
「あん?」
振り返った八咫と滝夜叉姫の目に飛び込んだのは、白虎王だった。
「あら…真っ白で美しい毛なみの虎…」
「びゃ…びゃびゃびゃびゃ…」
好奇の目で白虎王を見る滝夜叉姫とか対称的に、八咫は驚愕の表情でひたすら『びゃ』を呟いている。

「ちょっと…どうしたの?」
滝夜叉姫の言葉に反応する事ができず、ゆっくりと近付く白虎王を見て、八咫は思う。
「(あ…今日死んだ…)」
そんな八咫の予想とは真逆に、白虎王は低い声で語りかけた。
「予選の予選は突破です。長居は無用、どうぞ出口へ…」
「あ、は、はぃっ!」
八咫は滝夜叉姫の腕を掴み、会場の出口へ早々と歩き出す。
「ちょっ、ちょっと、どうしたのよ」
「ば、バカ、獣王・獅子王の愛娘の白虎王だ…内乱で行方不明のはずがなんで人界にいるんだ畜生…」
八咫は歩きながらヒソヒソと話す。

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