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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 171

「俺はそのシュダっておっさんの事は噂くらいにしか聞いたことないんだが、自分の像を並べて粋がるような奴なのか?」
「いいえ、そこまでナルシストな人では…」
八咫の問いにランドルフは言葉を濁す。自信を持って否定は出来なかったからだ。
「…おや?あれには魔力が込められてますよ。しかも結構、上等なのがね」
ヴェイルが呟く。
「え?…あっ、たしかに。あの性質の魔法は…ゴーレムかな?」
「ええ…おそらくは。それなら人型なのもうなづけますね」
「「…?」」
魔導経験者二人の話しに他の者は着いていけない。
「ねぇ、ランド。何の話し?」
「ああ、ごめん…実はあの像の事だけど、たぶんゴーレムだよ」
「ゴーレムってあれよね?条件が揃うと起動する魔法生物…」
「うん…しかも石像の形がシュダ様って事は恐らく、相当強いよ」
リリアンはランドルフの言葉に息をのんだ。
「そして近接が得意でしょうね、きっと…」
補足するようにヴェイルは言った。
「面白くなってきましたね〜。八咫、姫…あなた達でも本気でやらないと危ないかもしれませんよ?」
ヴェイルは楽しそうに言い、短く呪文を唱えた。
すると、手元に酒瓶が現れた。
「気付けの酒です。ランドルフ君達もいかがです?上物ですよ」
そう言いながらヴェイルは八咫と滝夜叉姫に酒瓶を渡した。
「僕は結構ですよ。あまり強くないんで…」
「私も同じく…」
「だったら…私がもらっちゃだめですか?」
如月が尋ねた。ランドルフとリリアンは驚いたように如月を見た。
「どうぞどうぞ…お酒は大勢で飲んだ方がおいしいですからね」
ヴェイルは再び呪文を唱えた。すると今度は酒杯と数本の酒瓶が現れた。
如月の手に杯が渡った時…
『…え〜、会場内の皆様。お早うございます…』
拡声魔法により会場全体にアナウンスが流れる。
『本日の大会ペア部門出場の方は一時間後に控え室までにお集まり下さい。繰り返します…』
「では僕達はもう行きますんで…」
放送を聞いたランドルフはそう言い、席を立った。
「じゃあ、行ってくるわね。如月」
「頑張って下さい、ご主人様…」
如月が杯を片手に見送る。
「ほら、八咫達も行きなさい」
「おし、行くか!」
「じゃあ、行ってくるわね。ヴェイル様」
八咫と滝夜叉姫も席を立ち、控え室へと向った。
「ふぅ、行きましたか。ふふっ…面白くなりそうですね♪」
「何がです?」
「まぁ、いろいろとね…
あっ、どうぞもう一杯…」
そう言いヴェイルは如月の杯に酒を注いだ。




「はぁ…やっと着いた」
セガルドは会場入口で一息吐いていた。
「ねぇ、セガル。もう、控え室に行っちゃう?」
「ああ、行ってもいいんじゃないか?…一時間なんてすぐだしな」
「では、セガル様。私達は客席へ行ってますね」
「ああ、そうしてくれ。俺達も暇ができたらすぐに行くから」
「セガルド、絶対だよ!」
イリスが叫ぶように言う。

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