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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 165





そして翌日、大会一日目…

「わぁ…すごい人だね…」
ランドルフは会場へと向かうべく、朝早くに出発した。
ランドルフが出場する団体戦予選は夕方からだったが、会場の雰囲気に早く慣れるためにも、リリアン、如月とともに早朝に家を出たのだ。
しかし、会場へと通じる大通りには、早朝にも関わらず人が溢れかえっていた。
「…出店の数もものすごいですね…」
「そうね、如月。たしか参加者が二千人を超えたってお兄様が言ってらしたわ…」
「本選に出場できるのは一割程度らしいし…僕、本当に大丈夫かな?」

「大丈夫よ。『大魔導師』の一番弟子でしょ?」
そう言い、リリアンは微笑む。
「…そうだね。まず、団体戦の本選出場を目指そう。リリー、頑張ろうね」
「ええ、ランド…」
「熱々なとこすみませんけど…ご主人様、あそこ何か起きたみたいですよ?」
如月が指差す方を見ると人の輪が二重、三重とできている。
「…リリー、なんだろ?」
「どうせ喧嘩でしょ?これだけ人が集まればねぇ…そりゃ、喧嘩の一つや二つ…」
リリアンはいい雰囲気を邪魔されたことで、機嫌を損ねた様だ。
「ご主人様…まだ時間もあることですし、ちょっと見ていきません?」
如月が野次馬の輪に加わる。
「ちょっと如月…もうっ」
「いいじゃんか。僕達も見てこうよ、面白そうだし…」
「ランドまで…ちょっとだけよ?」
リリアンも渋々、輪に加わった。



輪の中心では、一組の男女が数人の男達に囲まれていた。
男達は一目で傭兵と分る出立ちをしている。
「…なぁ、観客も増えてきたことだし、いい加減にしてくれないか?」
一組の男女の男の方が、男達に話しかけている。
「ふざけんな…俺達に喧嘩を売っといて、ハイさよならって具合にいくかっ」
傭兵達のリーダーであろう男が返す。
「喧嘩を売るって…ちょっと肩をかすめただけじゃない!」
今度は女の方が口を開いた。
「なんだとこのアマ!」
ことごとくチンピラの常套句を使う傭兵達。
「…頼むよ。俺達、人と待合わせてるんだよ」
「そうなのよ。あの人達、時間にうるさいからさぁ〜」
そう言いながら男女はそれぞれ、己の武器に手を掛けた。

これまでの経験から最悪、死人が出ると感じたランドルフは止めに入った。
「…一旦、落着いて話し合いませんか?」
すると、傭兵達が絡んできた。
「なんだ?この坊主…」
「僕は一応、王国側から大会期間中の取締を頼まれてる者なんですけど…」
そう言い、ランドルフは魔導師の杖を見せる。

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