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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 160

「セガルド…お嫁さん、何人目?」
ランドルフは尋ねる。
「あ〜…五人目だ」
「すごいね…」
「いやっ、それほどでも…」
「…ランドルフは褒めてないぞ。呆れてるんだ」
「クリス…近頃、つっこみが鋭いな…」
クリスは嘆息した。
「はぁ…メリル、本当にこんなのでいいのか?」
「はい、クリス様。これからは家族ですね♪」
メリルは嬉しそうに言う。

「…ねぇ、ランド。さっきから違和感があったんだけど…貴方の式神はどうしたの?いつも一緒にいるのに…」
セフィリアは不思議そうに尋ねた。
「実は…」
ランドルフは先程の経緯を簡単に説明した。
「ふ〜ん、天使も大変なんだなぁ。」
「そんな感想だけ?ランドは契約を破棄されちゃったのよ?」
「帰ってくるんだろ?」
セガルドはランドルフを見る。
「うん…多分…」
「おぃおぃ、可愛い式神ちゃんがいなくなって寂しいのはわかるけど、んなシケた顔してるなよ。」
「うん…」
「はぁ、わかったわかった、お前が元気になる魔法の一言をやるよ。」
「え?」
セガルドは大きく息を吸い込むと、会場に向けて大声を上げた。

「リリーは乳と腕力ばかりに栄養がいって頭はスカスカだ〜っ!!」
……
「なんですって〜っ!!」
「げっ!もう来たっ!」
怒った鬼人族のような形相で、ドレスの裾を持ち全速力で駆けてくるリリアン。ゴギャッ!!
「うぎぉ!」
ドスン…
リリアンの腕がセガルドの首を完全に捉え、セガルドは後方に一回転してから地面に打ち付けられた。
「セ、セガルっ!」
「セガル様っ!」
「………」
慌ててセガルドに駆け寄るセフィリアとゼシカ。ランドルフ、イリス、メリルは呆然としている。

「ふむ、この走力と腕力…打ち込む際の踏み込みと振り抜きの気持ち良さ、見事。流石はジンの妹だ。」
一人、クリスだけは感心した様子でリリアンを見ていた。
「はぁっはぁっ、セガルド君、私がなんですって?おほほほ…」
口では笑っているリリアンだが、目は笑っていない。頭の打ち所が悪かったのか、セガルドは微笑みながら何かを呟いている。
「セガル!しっかりして!」
「あは…あはは…兄上…美しい川と綺麗なお花畑が…自分もそちらへ…ふふふ…♪」
「ダメっ!セガル様!そっちに行かないで!」
「待て待て、リグールはまだ死んでないぞ。」
セガルドに近付きヒールを唱えるクリス。
「あ、私も手伝います!」セフィリアとメリルも手伝い、数分後にセガルドは目を覚ました。
「はっ!ここは…」
「ここは…じゃないわよ。本当にビックリしたわ。」「本当に…」
目覚めたセガルドの顔を覗き込むセフィリアとゼシカ。
「ふん、そのままあっちの世界に旅立てはよかったのよ。ねぇランド♪」
「あはは…セガル、大丈夫?」
「大丈夫じゃねぇよ…」
「喋れれば十分だ。さて、会場に戻ろうか。」
「そうですね。行きましょ♪」

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