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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 159

「そこまでだ。まったく…大人げないのはどっちだか…」
クリスの一声に、ジンはいつもの穏やかな表情に戻る。
「いやはや、私もまだまだ若いですねぇ…。ランド君、怪我は…勿論ありませんか♪」
「あ、はい。ありがとうございました。」
「…テテュス、大丈夫ですか?」
「はい…申し訳ございません…私が人族に臆するなんて…」
「天使族は感受性が高いですから仕方ありませんよ。私も…」
ヴェイルの掌は見て解る程に汗で濡れていた。
「(人間でこれ程の魔力とは…ますます魔導志に興味が湧きましたねぇ…)」
「さてさて、私は会場に戻りますか。では失礼♪」
会場に戻るジンの後ろ姿を見ながら、ヴェイルは無意識に笑みを浮かべていた。「さて、ランドルフ君、セガルドを探しに行こうか。」
「あの…ですが…」
「ふふ、安心して下さい♪私達はランドルフ君に対して敵意はありませんから。ねぇテテュス?」
「…はぃ。もうあのマウアとか言う天使の主ではないようですし…」
「…そうですか、じゃあボクも失礼します。」
ランドルフはお辞儀をすると、クリスの後を追った。


ジンやランドルフの気配が消えるのを確認してヴェイルが口を開いた。
「…テテュス。おそらく、僕はあの方達と敵対関係になるでしょう…
あなたが契約破棄をして抜けても僕は怒りませんよ?」
「…私は誓いました。ヴェイル様の命が尽きるまで仕えると…だからもう、そんな事二度と言わないで下さいね?」
「ええ、わかりました。でも…僕は不死達の王『ノスフェラート』です。命は尽きませんよ♪」
「なら…永劫の時をあなたに捧げます」
「…ありがとう、テテュス。では僕達ももう少し、強くなりましょう」
「…はい♪」
「その前に…一曲、お相手願えませんか?」
ヴェイルは腕を差し出す。
「よろこんで♪」
テテュスはその腕を取り、二人は会場に戻って行った。
「…僕は『ノスフェラート』になるために死の安らぎを失いました。ジンさんはあの魔力の代りに何を失ったんでしょうね…」
「さぁ、でも…大切な何かでしょう」
「はははっ、是非とも悲惨であって欲しい物です。僕は酒と悲劇が大好きですからね…あっはっは」


その頃、ランドルフはセガルド達との合流を果たした。
「クリス様…私、セガルドのお嫁さんになります♪」
メリルは開口一番に発表した。クリス達は驚きを隠せない。

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