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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 157

「…そのバカの嫁になりたいのか?」
セガルドは怪訝そうに尋ねる。
「…私だって最初はあんたの事、ただのバカだと思ってたけどね…さっき一人で考えたんだ。そしたら、気付いたの!
ああ…私、セガルドのこと好きなんだなって」
「……」
「だからね。セガルド、私と結婚して!」
「う〜む」
「いいじゃんか。今さらお嫁さんが一人増えるぐらい」
「後悔しないか?」
「…後悔させないよね?」
「…ああ」
「だったら後悔しない」
「よし、じゃあ大会が終わったら正式に婚約しよう」
「やった!」
メリルはこれまでで最高の笑顔を浮かべた。



同時刻、ランドルフ達はセガルドをあちこち捜し回っていた。
「…セガル、どこ行ったんだろ?」
「もう帰っちゃったとか」
「まさか、それはないだろう。まだ、始まってすらないんだぞ」
その時、ランドルフは視界にアリシスの姿を捕らえた。
「…アリシス様、こんばんは。セガル、見掛けませんでした?」
「…こんばんは。セガルド君なら…庭園に行ったわよ…」
「何故、あいつが庭園へ?」
クリスが問う。
「…セガルド君がメリルを怒らせちゃって…」
「なるほど。時間を取らせてすまなかったな」
ランドルフ達は庭園へと向かった。
庭園への道を辿っていると、奥から二つの人影が近付いてきた。
「…誰だろ?こんな時間に…」
近付くにつれ、次第に輪郭がはっきりとしてくる。人影の一つは翼を持っている。
ランドルフはおそらく武官とその式神だろうと推理し、それならば挨拶の一つでもした方がいいのではと人影達に寄って行った。
「…貴様は!」
まずクリスが声をあげた。
「おや、これはクリスさん。こんばんは」
タキシードを着た男が如才ない笑みを浮かべている。
(知らない人達だな。しかも、式神の方は八枚の翼を持つ堕天使だ。クリス様のお知合いかな?)
しかし、次に言葉を発したのは意外にもマウアだった。
「…!『冥法皇』ヴェルナルド!」
その声は驚きと怖れで震えている。
「ふむ…アーク級ですか。しかし、翼が四枚…良くて下位神付きですかね。テテュス、知ってますか?」
「…ええ、神魔戦争の時に潰した天使隊で見た顔です。ふふっ…いわば、私達は仇?」
テテュスの話しを聞き、ランドルフはマウアの顔を見た。しかし、マウアは怒りの表情は浮べていない。
「いいえ、テテュス。おそらく、この天使は彼の式神です。式神契約中の天使が僕達に敵意を示すことはないでしょう?」

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