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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 156

「…ねぇ、セガルド」
「ん?」
セガルドは頭を上げた。
「どう?私のドレス姿…」
「…素敵だよ。メリル」
「…よしっ、今回だけは特別に許してあげる!」
セガルドとメリルは顔を見合わせ、声をあげて笑った。


「…あまり面白い展開になりませんでしたね」
セガルドの様子を木陰で見ていたヴェイルは言った。
「なんか、こう…修羅場を期待していたんですけどね…」
「う〜ん…思ったよりいい雰囲気みたい。」
「そうですね。お邪魔をしては悪いので、私達はこの辺で…」
そう言い、ヴェイルはテテュスを連れて会場へ戻って行った。
セフィリア、ゼシカ、イリスは楽しそうに目を輝かせながら二人の様子を見ている。
「セガルド、初めて会った時の事…覚えてる?」
「確か…重い荷物を持ったお年寄りの手伝いをして初勤務に遅れた時だったっけ?」
「あ〜、あの時は産気づいた妊婦って言ってたじゃん!セガルドの嘘吐き!」
「いやほら、いつも人助けばっかりしてるからわからんくなってさ。」

「またそうやって…」
「あはは、悪い悪い。んで、初めて会った時がどうしたって?」
「あの頃に比べると、セガルド本当に強くなったよね〜。私、結構ショックだったんだ。」
「はぁ?なんでだ?」
「だって…修業が始まった頃は私の方が一枚上手だったのに、今じゃセガルドの方が強いじゃん。」
「そっかぁ?魔法が使える分、お前の方が戦略の幅が広くて…」
「ほら!そう言える所とか見ると、セガルドも成長したなぁって感じ?」
「どうだかなぁ…あんま変わらないだろ。」
「クリス様…」
「ん?」
「ずっと好きだった…」
「…悪いな。俺はクリスを…」
「でもさ、気付いたんだ♪」
「?」
「クリス様はやっぱり女性だって事。」
「はぁ?んな事…」
「違うの。クリス様は何て言うか…例え屈強な男でも、睨むだけで逃げ出しちゃうような凄い人で、そんなクリス様が好きだったんだ♪でもね、セガルドを見るクリス様ってすっごく優しくて嬉しそうで、幸せそうなの。」
「ふ〜ん…よくわかんねぇけど…」
セガルドは頭を掻きながら照れ臭そうにしている。
「そして私は考えたっ!」「なんだなんだ、急に大声出して…」

「私もセガルドのお嫁さんになるっ!!」
メリルはセガルドをビシッと指差し、凛々しく宣言する。覗き見している三人も口をポカンと開けて呆然としていた。
「……………。」
「ち、ちょっとぉ!黙んないでよ!」
「あ、悪ぃ悪ぃ。うん、まずはどうしてその結論に到ったかを小一時間くらいじっくりと…」
「私もクリス様と同じくらい幸せになりたいの♪」
ウットリとした表情で明後日の方向を見るメリル。
「待てぇぃ!極端過ぎるだろうが!アレか?クリスが死んだらお前も死ぬのか?」
「そんな訳ないじゃん。バカ?」

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