魔導志 155
話を聞いていたジンが会話に入る。
「明日、わかるだろう。」「それは楽しみですねぇ。ね?ランド君♪」
「あ、その、えっと…」
話を飲み込めないランドルフは、ジンとクリスの顔を交互に見ている。
「あくまで忠告だ。さて、サーシャ様への挨拶を済ませたらセガルドを探しに行くかな。」
「じゃあ、僕達も一緒にいいです?」
そしてクリスとランドルフ達はセガルドを探しに行った。
当のセガルドは
「たくっ…メリルはどこ行ったんだよ…」
「セガル、ぼやかないの」
「そうですよ。女性を怒らせると後で大変です。ちゃんと謝らないと…」
「…なんで皆してついてくるの?」
セガルドの後を追う一団に視線を投げ掛けた。
「だって心配じゃない。セガルの無神経な一言でメリルが傷付いたら…」
「…そこまで酷い事言ったかな?」
「…はぁ…セガルド、鈍すぎ…」
「イリス、なんか言ったか?」
「……」
「僕はただ、修羅場を見たいだけですけど…」
「…いけませんよ、ヴェイル様。そんな理由で関わっては…」
楽しそうに言うヴェイルをテテュスがたしなめる。
セガルドは近くにいた中年の騎士団員に尋ねた。
「…すんません。メリル、見かけませんでした?」
「おう、セガルド。なんで騎士団やめたんだ?」
「いろいろとありまして…」
「メリルか、庭園の方へ駆けて行ったが…お前、何かしたのか?」
その問いに表情だけで答え、セガルド一行は庭園へ向かった。
「…はぁ、なんであんなことしちゃったんだろ…」
一人、夜の庭園で落ち込むメリル。
「…セガルドのバカ…」
そこへ…
「…誰がバカだって?」
「きゃっ!」
メリルの後ろにセガルドが一人でいた。他のメンバーは木の陰に隠れて、聞き耳をたてている。
「セガルド…」
「その…あれだ。お前の気持ちを考えず、からかって悪かった。ごめん!」
そう言うとセガルドは気恥ずかしそうに頭を下げた。