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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 154

セガルドが二人の姿を眺めているとメリルが気付き話しかけた。
「どお?私達の艶姿」
「アリシス様は似合ってますね」
「…私は?」
「…馬子にも衣装」
「セガルドのバカ!」
激昂したメリルがセガルドを小突こうした瞬間、声をかけられた。
「暴力はいけませんよ…」
メリルが振向くと、そこにはタキシードを着たヴェイルとドレスを着たテテュスがいた。
「だって、ヴェイルさん!聞いて下さいよ。こいつ、よりにもよって『馬子にも衣装』だなんて…」
「おやおや…セガルド君、お世辞でも『メリル、素敵だ』くらい言わないと…」
「お世辞って…」
「なるほど!」
それを聞き、何かを思い付いたセガルドが、おもむろにメリルの肩を抱き寄せて頬に手を添える。そして、真っ直ぐに瞳を見つめた。「な、なによぅ…」
「メリル…とてもよく似合ってる…。本当に素敵だよ。まさに馬子に…」
バキャッ
「うぶぁ!」
言い終わる前にメリルの拳がセガルドの頬を打ち抜いた。ゼシカが慌ててセガルドに駆け寄る。
「大丈夫ですか!?」
「バカバカバカ!あんたって本当に最低!」
メリルは顔を真っ赤にして行ってしまった。
「いててて…ちょっとからかいすぎたか…。」
「今のは流石にヒドいわよねぇ…。」
セフィリアが呆れた様子でセガルドを見る。
「ほんとほんと、全面的にセガルドが悪い。」
イリスも責めるような眼差しをセガルドに送る。
「…」
体を支えるゼシカでさえ、セガルドに何か言いたそうな表情をしていた。
「セガルド君…」
ヴェイルは掛ける言葉もない様子。
「わ〜った!わ〜ったよ!ちゃんと後で謝るよ!」
「後で?今すぐ行きなさいよ。」
「そーだそーだ!走れセガルド!」
「セガル様…」
「…行きゃいいんだろ!」耐えきれなくなったセガルドはメリルを探しへ。
一方、ランドルフは…
「ご主人様、離れないで下さいね。」
「うん。凄い人混みだなぁ…。え〜っと、リリー達は…」
「ランド〜、こっちこっち♪」
手を大きく振り、リリアンが大声でランドルフを呼ぶ。そこには、リリアンを始め、如月、サーシャ、リグール、ジンがテーブルを囲むように立っていた。
「お待たせ。あれ、デイルさんは?」
「あっち♪」
指差した先では、デイルとジュダと他数人が浴びるように酒を飲み比べている。「うわぁ…見事にはめはずしてる…」
「ジュダ様が今日は無礼講だってさ♪」

「まったく…君達はあんな風に騒ぐんじゃないぞ。」後ろからランドルフに声を掛けたのは、普段着のままのクリスだった。
「あ、クリス様…今日は私服なんですね♪」
「一度、こういった場に私服のまま参加してみたかったんだ。セガルドは見なかったか?」
クリスは楽しそうに周りを見渡す。
「いえ、僕は来たばかりなので…」
「ふむ…。そうだ、一つ忠告をあげよう。ランドルフ君、明日、セガルドと対戦する事になったら本気で戦った方がいい。」
「えっ?」
「ふふ、彼に魔法が通用しないと?」

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