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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 152

「くくっ、嫌ですよ。こんな珍しい光景はそうそう見れませんから。」
「…まぁいい。疲れれば勝手に降りるだろ。ルクードの周辺を見たか?凄い事になってるぞ。」
「リグールも凄い事になってますもんねぇ。」
「しつこいぞ?」
「はいはい、それで、何が凄い事になってるんです?」
「テントやコテージだらけだ。話を聞き付けて大陸中から集まっているみたいだな。」
「ほぅほぅ、好都合ですね。ジュダ様?」
「うむ、これを機に有能な人材を発掘できる。大会中、君達は独断で使えそうな者を勧誘してくれたまえ。」
「わかりました。」
「私やデイルはともかく、リグールとアリシスの独断ですか…。なんだか騎士団がクセの強い人の集まりになりそうですねぇ。」
「構わんさ。今は隣国に備え少しでも即戦力が欲しいんだ。これは極秘の話だが、ログナスに派遣した外交官の行方がわからない。まさかとは思うが…」
「なるほど、最悪の場合、今のアルトバルの状況を知り攻めてくる可能性がある…と。」
「ちと待て。極秘な話をこいつらの前でしていいのか?」
子供達はポカンとしながらジンとジュダを見ている。「まだお子様ですから大丈夫ですよ。」
「…しかし、今日から大会終了まではルクードが人で溢れ返るだろう。すると治安が心配なのだが…」
リグールに纏わりついている子供達も疲れたのか、次第に束縛を解いていった。
「それのことなら心配は無用だ。大会に参加しない騎士団員は昼夜問わず、見回りを命じているからな。はっはっは…」
シュダは笑顔で答えたが、本当に昼夜問わず見回りをさせるため騎士団内部では不平不満の嵐だった。
「…そういえば、セガルド君も参加するんですよね?」
「知らん、俺に聞くな」
リグールは不機嫌そうに答える。
「では、リグール君とセガルド君が本戦で当たるようにしておこう」
「いいですね、シュダ様。じゃあ、僕も対戦したい相手が一人いるのですが…」
「ほほう、誰かね?」
「ヴェルナルド・シルヴァ君です。おそらく本戦まで勝ち上がってくるでしょう」
「ジン…酔狂な奴だな、お前も。何故だ?」
不可解なジンの発言にリグールは眉をひそめる。
「…彼の実力を見てみたいんですよ。そして、できればこの国に士官してもらおうかなと…」
「まぁ、この国の現状を考えるとしかたないか」
リグールはまだ、嫌な顔をしている。
「ヴェルナルド君は何かしたのかね?」
「…ええ、具体的に何かされたわけではないのですが、リグールと…簡単にいうと敵対関係にありましてね」
「ほう、ヴェルナルド君も大人の悪さを身に付けたか」

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