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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 150

「成長する?」
クリスは興味をそそられたのか、つい口を挟んだ。
「ええ、最初は赤かった刀身が血を吸うごとに黒くなり、比例して強い魔力を武器自身が持ち始めるのです。面白いでしょう?」
「…面白いというか不気味ね。セガル、そんな剣持っていて平気?」
「…今の話しを聞いて、今迄以上にこいつが気に入った」
「作者が変人なら使い手も変人とはな」
「クリス、変なツッコミはいれないでくれよ」
そんなセガルドの様子を眺め、ヴェイルが口を開いた。
「今の話しを聞き、その剣を手放すようであれば言わなかったのですけど。実はダイダロスの作品を僕も一つ所有しているんですよ」
ヴェイルはそう言い、一言呪文を唱えた。
するとヴェイルの前に一振の槍が現れた。
「!それは…」
その槍を見たゼシカは目を見開いた。
「覚えてましたか。この槍は『神殺しの槍ドレパノン』と呼ばれてますが、本当の名は『紅雪』といいましてね」
ヴェイルは槍の刃をセガルド達に見せた。
「…黒いってよりはなんか闇みたいだな」
「…これが元々、赤かったなんて」
「しかし、魅せられる…」
口々に感想を述べる。
「こいつは神の血を三日三晩、吸わせましてね。美しいでしょう?」
「この『紅月』も次第にこんな色になるのか?」
「ええ。そして剣に選ばれたセガルド君、君は戦い続ける運命にあるのですよ」
「俺が?」
「君は強くなりますよ、誰よりも。それがアーカイブの血統ですから…」
「…」
話し終えると、ヴェイルは立ち上がった。
「君とその刀の成長を楽しみにしてますよ。
では、また後ほど…」
そしてヴェイルとテテュスは転移魔法でセガルド達の前から消え去った。
……
しばらく沈黙が続いた。
「…ほんとにただ、自己紹介だけして帰っていきやがった」
セガルドが呟くようにして言った。
「…しかし、一つ疑問が残ったわね」
「えっ?」
「だって歳も私達とたいして違わないはずなのに、魔界で将軍になれるほどの実力ってありえる?」
「…たしかにセフィリアの言う通りだな。ゼシカ…奴は本当に人間なのか?」
「…人間です。ですが、魔族でもあります」
「…?」
「簡単に言ってしまえば、人と魔の中間です。ノスフェラートってご存じですか?」
「…昔、文献で読んだ覚えがあるな。たしか、肉体を『不死の王』に変換する古代魔法だった。まさか…」
「ええ、将軍は人であり、『不死の王』であるのです」
「…なるほど。だから、人と魔の中間なのね」
セフィリアは納得したようだ。
「さて、十分に休息も取れただろう。セガルド、修行を再開するぞ」
「うしっ。目標は明日までだ」


その頃、大会準備をしているランドルフ達は…

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