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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 149

その時…
「セガル様〜」
ゼシカが歩いて来るのが見えた。他にもイリスと見知らぬ男女がいた。
「ふぅ…では少し休憩にするか」
「…師匠は何もしてないじゃないですか」
「ほう、セガルドは休みたくないのか。しかたない…」
「師匠!不肖セガルド、ありがたく休憩に入らせていただきます」
そしてゼシカ達はセガルドの元へ辿着いた。
「ゼシカ…その人達、誰?」
セガルドはヴェイルとテテュスに視線を向け、尋ねた。
「初めまして。僕の名はヴェルナルド・シルヴァ、ゼシカの元上官です。彼女はテテュス。僕の式神です」
ゼシカが答える前にヴェイルは自己紹介をした。
「え〜、俺は…」
「存じてます。セガルド・アーカイブ君でしょう。そして貴女はセフィリア・クラウスさん。彼の妻の一人です。間違いありませんか?」
それは問掛けではなく、確認するような口調で言った。
「そして、クリスさん。貴女とは半日ぶり位ですか」
「気をつけろ、セガルド。レイラの手下だ」
「何っ」
「いえいえ、手下ではなく友人です。それに今日は別にそっちの用件ではありませんよ。明日からの大会に僕も参加するので自己紹介でもと…」

「…本当か?」
「ええ、本当です。それで、手土産がわりにお茶と菓子でもいかがですか?」
ヴェイルは手に持っていた革袋から水筒と菓子を取出した。
それを受け取りつつも口をつけようとしないセガルド。
「…ああ、毒など入ってませんよ。ほら…」
ヴェイルは菓子を口に放り込んだ。それを見たセガルドは菓子を食べ始めた。
「…あんた、ゼシカの元上官だって言ったが、魔族か?」
「違います、セガル様。この方は人でありながら魔界でのし上がったんですよ」
「へぇ〜、興味深いわね。魔界って魔族じゃなくても高い地位につけるの?」
セフィリアの疑問にイリスが答える。
「えとね、ご主人様。魔界で重要視されるのは戦闘能力の高さなの。だから、以前起きた神魔戦争の後、魔界では結構人事が変ったんだよ」
「いや〜懐かしですね、神魔戦争。あれが無ければ僕はまだしがない一兵士でしたからね」
「そういえば、将軍が戦った戦場では必ず魔族が勝ちましたからね」
「まぁ、それは僕だけの力ではありませんけど。テテュスだって、一人でアーク級の天使隊をいくつも潰してましたし」
「私はその…ただ、神族や天使が嫌いなだけですよ…」
「神族といえば、将軍はたしか神族を一人殺しましたよね?」
「あ〜、名前は‘ドレパノン’でしたか。あれのおかげで将軍になれたんですよ…」
ヴェイルはふと、昔話から話しを変えた。
「さっきから気になってたんですけど、セガルド君のその剣、『紅月』ではないですか?」
「知ってるのか?」
「はい、その剣は名匠ダイダロスの作なんですがね。ダイダロスという方は変人だったらしく、自分の作品に呪いを掛けるんですよ。その呪いとは使い手が高い魔力を持たないと鞘から抜けず、そして斬った相手の血を吸い成長するというものです」

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