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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 146

一人残されたジンは考え込んでいる。
(…私が『魔導志』に関わっているのを知って、尋ねたのですかね?…ふむ…)
「お〜い、ジン君。用が済んだのなら手伝ってくれ!」
シュダが話しかけた。
「あっ、はい。すみません、すぐ行きます」
(…今、考える事ではありませんね)
ジンは気持ちを切替え皆の所へと向った。



会場を出たヴェイルに話しかけた者がいた。
「…主よ」
「…!テテュスでしたか」
そこには八枚の羽根を持った天使がいた。しかし、その純白であるはずの羽根の色は闇のような漆黒である。神に逆らい天界を追放された反逆の天使、堕天使だ。
「すみませんね、仕事を手伝わしてしまって…」
「いえ、かまいません。私は主の式神なんですよ。主を手助けするのが私の喜びなのですから…」
「ふふっ…相変わらず、天使らしくなく堅いですね〜」
「…堅い女は嫌いですか?」
「いいえ、軽いよりは断然好きですよ。ですが、その『主』って呼ばれるのはちょっと…」
「…では何と呼べば?」
「だからヴェイルで結構ですよ」
「主の名を呼捨てには出来ませんよ。…ですので、ヴェイル様と…」
「…まぁ、『主』よりかはましですかね」
「…ヴェイル様」
「はい?」
「ふふっ、呼んでみただけです♪」
テテュスは幸せそうな笑みをうかべた。
そこへ…
「…イチャつくのは勝手だけど、もう少し周りを気にかけた方がいいわよ?」
「うわっ、レイラさん…」
「…!」
驚くヴェイルとテテュス。
「ったく、朝一番で宿に行ったら、もういないんだもの。捜したわよ…」
「用事でも?」
「まぁ、用事って程でもないけど…
もしかしたら例の協力者が大会で事を起すみたいだから、その時はセガルドを手伝ってくれる?」
「いいですよ。その代り、貴女もきちんと竜族の村を捜してくださいね♪」
「分ってるわよ
それじゃ、数日後に会いましょう」
「ええ。気をつけて下さいね、レイラさん」
別れを告げ、レイラはルクードを旅立った。


その頃、当のセガルドはというと…
ルクードから少し離れた平原で、紅月を構えて精神を集中していた。その様子を腕組みしながら見ていたクリスが、セフィリアに合図を出す。
「ファイオ…」
「…うぉりゃぁ!」
小さな火炎がセガルドに向けて放たれると、目を見開いたセガルドは火炎に刃を振り下ろした。
「あっちぃぃぃぃっ!!」「またダメか。」
「セガル、大丈夫?」
「ふーっふーっ、くそっ病み上がりなのにいきなり修行だなんて聞いてないぞ…」
「予想外の賭けにのってしまってな。」
「はぁ?だいたい魔法なんか斬れる訳ないだろ!無理無理!おうち帰る!」

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