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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 145

「じゃ、もう一杯…」
「どうぞどうぞ…ここは僕の奢りです。それに酒場の奥は宿になってますから、酔潰れたら部屋を借りればば良いですよ。すでに一人、泊る事が決定してる人がいますし…」
「あはは…アリシス様の弱点を一つ、見つけましたね」
メリルはグラスに酒を注いだ。そして、ヴェイルにも注ぐ。この二人の酒宴はまだまだ終りそうにない。


こうして各々の夜がふけていく…



そして翌日、闘技場ではジンとシュダの指揮の下、大会の事前準備が行われていた。
しかし、そこにはリグール、ランドルフ、アリシス、メリルの姿はない。
「ジン君…リグール君達は遅刻かね?」
「すいません、シュダ様。もうそろそろ来てもいいんですが…」
その時、ジンの目の前で光が収束し、三つの人型になった。光が消えると、そこにはアリシス、メリル、ヴェイルの姿があった。
「魔方陣も無いのにすごいですね…今のはヴェイル君の魔法ですか?」
「ええ、アリシス姉さんとメリルさんが二人揃って寝坊しましてね。時間が無いとのことでしたので…」

「…君はもしや、ヴェルナルド君か?シルヴァ家の」
「はい、よく僕なんかのことを覚えてましたね。十年ぶりですか、シュダ様」
「ああ、大体そのぐらいだな。大きくなったな〜」
シュダは懐かしそうに微笑む。
「ジンさんに大会についていくつか質問があるのですが…」
「ええ、何なりと。ほら、アリシス達は遅刻した分も働いてくださいよ!」
「…わかってるわよ…」
アリシスは拗ねたようにその場を離れていった。それを合図のようにジンとヴェイルを残して、解散した。
「…では、ジンさん。一つ目の質問です。大会において戦闘行為はどこまで、許容されますか?」
「最悪、対戦相手を殺してしまっても罪にはなりませんが、失格になりますよ」
「そうですか…それでは二つ目の質問です。武器、魔法には制限はありますか?」
「いいえ、ありませんよ。殺さなければ、どんな事をしようとかまいません」
「わかりました…じゃあ最後の質問ですが、大会についてではありません。…貴方は数種類の禁呪を知ってるようですが、どこかで習いましたか?…それとも魔術書で勉強したのですか?」
「…」
ジンは押黙ってしまった。
「クククッ…言いたくないなのらば今は無理にとはいいません。またの機会に尋ねますよ…ではまた明日、大会で会いましょう」
そう言い残してヴェイルは立去った。

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