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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 140

ランドルフはジンの背負ったあまりにも重い枷を思うと、心が締付けられた。
ランドルフの様子を察してか、セガルドは話題を変えた。
「クリス、ルカ…大会の団体戦には俺、誰と出たらいいかな?」
「あ〜その話だったら俺、パス」
「…私も外してくれるか」
「へっ?」
てっきり二人とも組みたがるだろうと予測していたセガルドは疑問符を浮かべた。
「…なんで?」
「いや〜ちょっとな…」
「そういう事だからセガルド、お前はセフィリアと出場しろ」
「命令っすか…」
「嫌なら個人戦だけでもいいんだぞ。セフィリアが黙っていないと思うがな。」「おっしゃる通りで…」
「わかればよろしい。私はこれからジンに会ってくる。くれぐれも安静にしているんだぞ。」
「へぃへぃ。」
「俺はネルムの面倒でも見てくるか。」
クリスが部屋を後にすると、ルカもそれを追うように出ていった。
「…セガル」
「ん?」
「手加減無しだからね?」「わかってるさ。俺は優勝を狙っていく。」
「うん。今日のところはこれで帰るよ。またね。」
「あぁ、リリーによろしくな。」

その頃、城の謁見の間には、ウルスの孤児院から来城した小さな客人達とシスターの姿があった。
「あっ!仮面の兄ちゃんだ〜っ!」
「…」
「これ、リグールさんに失礼ですよ!まったく…」
「……護衛を途中で抜け出してすみません。」
「いぇいぇ、ルクードに入ってからでしたので。急に走り出してビックリしましたけど…。」
「ふふ、みんな、久しぶりね。元気だったかしら?」「すっげ〜っ!姉ちゃん本当に王様なんだ〜っ!」
「あらあら、元気一杯ね。」
「今回はお招き頂きましてありがとうございます。」シスターが深々と頭を下げると、子供達も真似ながらサーシャにお辞儀をする。「そんなにかしこまらなくていいのよ。貴方達はみんな私の友人なのだから。」「宿を用意してあります。大会当日まではそちらを利用して下さい。いま案内させましょう。おいっ!」
「はっ!こちらです。」
リグールが近くの兵士に声を掛け、シスター達を見送る。
「リグール、なんだか顔色が悪いわ…。」
「そんな事は無い。」
「ふ〜ん、私に隠し事?」「違う。ただ…」
「ただ?」
「背中の古傷がうずく。ただ、それだけだ。」
「見せてみて?」
上着を脱いだリグールの背中には、大きく引き裂かれたような爪痕が痛々しく残っていた。サーシャはその傷痕を指で優しくなぞってみる。
「…俺の心配より、自分の体を心配してくれ。大会に出るのなら尚更だ。」
「貴方が守ってくれるでしょう?」
「そうだな。」
「優勝はいただきね♪」
「ふ…違いない。」

一方、仕事を片付けたアリシスは…

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