PiPi's World 投稿小説

魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 136
 138
の最後へ

魔導志 138

「それで、『アレ』を取りに来たのでしょう?」
ヴェイルは懐から『アレ』を取り出した。
「頼まれていたもの、ちゃんと調べましたよ。
この大陸で竜族の村があると思われる場所、計8ヶ所です」
「正確なの?」
「正直言うと、微妙ですね。噂話しを解析したものや高位結界のある場所などですから…」
「当る確率は低いわね…」
そう言い、レイラは爪を噛む。
「でも、一つ面白い情報がありますよ」
「どんなの?」
「ある竜族の村が結界を外すらしいです」
「…ふふっ、やっぱり竜族って愚かね。もし結界を外したら3日で滅してあげるわ」
「その自信はどこからくるのやら…」
「あ〜っ、信用してないでしょ?」
「もちろんそうですよ。竜族の子供にさえ、魔王様は脅えているんですから。その竜族を3日だなんて…」「まぁ…ね。今すぐ3日は無理だけど、準備ができれば3日かからないかもしれないわよ♪」
「…だからその根拠をいい加減に教えて欲しいのですが…」
「まだ内緒♪」
「はぁ…。貴方についていって大丈夫なんですかね…不安になってきますよ」
「魔王様殺しの事を言ってるの?」
「両方です。理想郷作りにどちらも欠かせないでしょう?」
レイラが満足そうに笑っていると、ヴェイルはいきなり話題を変えた。
「あっ…そういえば僕、明後日から始まる大会に参加しますので竜族の村の探索は手伝えませんよ」
「へ、何よそれ!そしたら、私だけで8ヶ所も周るわけ?」
「そうなりますね…」
「…あ〜、しかも8ヶ所全部が結構、距離があるじゃない!」
「頑張って下さい♪」

怨めしそうにヴェイルを睨むレイラ。
「…じゃあ、大会が終わるまでに3ヶ所位は調べておくから、後は手伝ってくれる?」
「いいですよ。あっ、もう結構な時間が経ちましたね…僕、この後ある人と待ち合わせてるので、この辺りで失礼しますよ…」
「そう…じゃあまたね♪
私の方も、心配してるかもしれないし」
「ああ。例の娘ですか…
それではレイラさん、巧くやっといて下さいね」
そして、二人は影に溶け込む様にして消えた。


同時刻、ヴェルナード邸では…
ガチャ…
「今帰ったぜ、ダーリン♪」
「お〜、クリス、ルカどこ行ってたんだ?」
「セガルド、少しいいか?
むっ…ランドルフ君、来てたのか」
「お、お邪魔してます…」
セガルドの部屋にクリスとルカが入ってきた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す