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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 137

「何してる人に見えます?」
考え込むメリル。
「…う〜ん、神官かな?」
「惜しかったですね。正解は法務官です。まぁ、魔界のですけど…」
「えっ、ヴェイルさんって魔族?」

「さっきも同じ質問をせれましたよ。残念ながら魔族ではなく人間です。魔界という所は、強さが全てでしてね。強ければ人間でも高い地位に就けるんですよ。」
「そうなんですか〜」
相槌を打つメリル。アリシスも話しに参加し始めた。
「…多分、今…一番魔界に影響力のある人間は…ヴェイルよ…」
「でも、ヴェイルさんも昔はルクードに居たんですよね?」
「はい。こう見えても、魔法学校を首席で卒業してますよ」
「わぁ〜、じゃあなんで王国に史官しなかったんですか?首席で卒業ならそこそこいい話しもありましたよね…」
「僕が卒業した時期は、この国は荒れに荒れてましてね。到底、仕官する気にはなれなかったんですよ。魔界へ行くにもかなり勇気が必要でしたし…初期の頃なんかは命がいくつあっても足りないんじゃないかと思ってましたよ…」
遠い目で過去を振り返るヴェイル。
「でも発想が凄いですね。人界が駄目なら魔界だなんて…」
「ん〜…まぁ…生きてたなら…いいんじゃない?」
「ふふ、そうですね♪おっと、お仕事の邪魔をしては悪いですから、そろそろ失礼します。また大会でお会いしましょう。」
「…じゃあ…後で『例の所』に来て…」
「わかりました♪メリルさん、また明後日に会いましょう」
そう言ってヴェイルは部屋から出て行った。
「変わった人でしたね…」
「…あれは…昔からよ…」
「そうなんですか…
アリシス様、『例の所』ってどこですか?」
「…秘密…」
「…私も一緒に行っちゃダメですか?」
「…別に構わないわ…」
「やった」
はしゃぐメリル。
「…でもその前に…仕事片付けなきゃ…」
「はいっ。了解しました!」

ヴェイルは城門を出たところに
「ヴェイル、待ちくたびれたわよ」
とレイラが話しかけてきた。
「あれ、待ち合わせましたか?」
「してないけど、気付いていたでしょ?」
「ええ、もちろん♪」
「なら、もう少し早く出てきなさいよ!」
よほど腹が立ったのかレイラがわめく。

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