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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 136

「なら、明後日から始まる武闘大会に参加してみませんか?
実はその大会、王国が企画したのですけど賞金を払ったら財政が破綻しちゃうんですよ…」
「そこで国からの刺客に優勝させ、賞金を回収させようと?」
「そうなんですよ。リグールが出場しますから、問題は無いと思うんですけど万が一のために、国からの参加者ってことで出場してもらえませんか?」
「…もし賞金獲得したら、2割」
「…1割」
「じゃあ1割5分で…」
「1割5分ですか…まぁ、いいでしょう。出て頂けますか?」
「はい、出場しますよ。優勝、狙っちゃいますよ〜」
だが、その考えが甘かった。出場したは良いがランドたちに自信をなくすまでコテンパンにやられるとはこのときは思いもしなかった。
ジンは『騎士団執務室』と表札に書かれた部屋の前で止まった。
「着きました。さっきはここに行くと言ってましたが…」
ジンは扉をノックした。
「…開いてる…」
がちゃ…
中にはアリシスとメリルが机に向い合う形で事務作業をしていた。
「アリシス、貴女を訪ねて来た人がいるんですけど…」
「…誰?」
「僕です。久しぶりですね。アリシス姉さん♪」
「…!…ヴェイル?」
「はい。いや〜、3年ぶりですか?」
ヴェイルを視界に入れたアリシスは頬を弛ませた。

「えっ…誰?…アリシス様の弟さん?」
状況をいまいち把握できずに、戸惑うメリル。
「初めまして、自己紹介がまだでしたね。ヴェルナルド・シルヴァ、20歳、アリシス姉さんの従姉妹です。以後お見知りおきを…」
「ええっと…私、メリル。よろしくね♪」
「…どうしたの?…急に…」
「ルクードに用事がありましてね、そのついでにさしブリにアリシス姉さんに顔でも見せようかなと…」
「…そう…もうすぐ終わるから…待ってて…」
アリシスはヴェイルに椅子を勧める。

「じゃあ、私はこの辺りで失礼します。ヴェイル君、大会の件よろしくお願いします。」
そう言うとジンは退室した。
………

沈黙が続くことに堪えられなくなったメリルはヴェイルに話しかけた。
「…あの〜、明後日の大会に参加するんですか?」
「ええ。ジンさんに頼まれまして…」
「あたしも参加するんです。個人戦だけですけど…」
「団体戦に一緒に参加してくれる相手はいないんですか?」
「うっ…」
メリルは押し黙ってしまった。会話が途切れまた沈黙。
………
…………
「…えと、ヴェイルさんって何してる人ですか?」

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