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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 134

「もちろん、そんな大金をわざわざ払うつもりはございません。おまけに財政難で払う余裕もありません」「なるほど、出来レースですか。」
ジンが納得したように頷く。
「そう、ここはリグール君とジン君に…」
黙ったままのリグールがぴくりと眉を動かし呟く。
「じ、自分は…人前に出るのが苦手で…」
「リグール、これは大事な任務よ。王として命令するわ。」
「ぐ…」
「私は大丈夫ですよ。最近は退屈だったので。」
「男女…ペア部門は…どうするの?」
「それもありましたねぇ。リグールとアリシスが組むのはどうです?」
「嫌だな。俺のパートナーはサーシャと昔から決まっている。」
「私も…リグールとは…組みたくない…かなぁ。協調性…0だし…」
アリシスは露骨に嫌そうな顔でリグールを見る。
「ふ〜む…困ったな。……そうだっ!ジン君が女装してリグール君と…」
「嫌です!絶対っ!ただでさえ女性に間違えられるのに…」
ジンがジュダの提案を遮るように声を上げる。すると、サーシャが嬉しそうな顔で手を挙げた。
「はいはいは〜いっ!」
「サーシャ様、どうされました?」
「私がリグールと組むのはどうかしら?」
「えぇぇぇっ!!」
その場の全員が大声でサーシャを見る。
「バカを言うな!お前は妊娠しているんだぞ!?」
「そんな事、言われなくても知ってるわよ。」
「いやいや、でしたら何故…」
「王様でも一般の人でも、大好きな人の一番格好いい姿を一番近くで見たいじゃない?」
「近すぎますぞ王様!お考え直し下さい!」
「これは命令です。私を出場させなさい。」
「………………。」
会議室を沈黙が支配する。そして、リグールの溜め息が合図となり、サーシャの提案を認める事となった。
「わかりました。サーシャ様はリグールと出場していただきましょう。万が一のために私はマリーと、アリシスは…」
「ん〜…個人戦だけで…いいかなぁ…。疲れるの…好きじゃないし…」
「個人部門とペア部門の決勝は、基本的に君達が当たるように細工しよう。それまでに負けないでくれたまえよ?」
ジュダが書類を片付け、席から立ち上がる。
「わかっています。リグール、アリシス、本気になってしまったらすみませんね…♪」
ジンは楽しそうに微笑んでいる
「面白い。俺達の中で誰が一番強いのか確かめてみるか?」
「…いいのかなぁ…?私…凄いんだから…」
「女と女みたいな男には負けん。泣かされる前に降参するんだな。」
「…ムカつくぅ…本気で…本気になる…かも…」
「私も同意見ですねぇ。いつもサーシャ様に負けてるくせに。」
「そ、それとこれとは関係ないだろうが!」
ガダンッ!
リグールが机を叩きながら立ち上がる。
「なによぉ…今ここで…やる…?」
「私は構いませんがね。」「ちょっとちょっとぉ、喧嘩はダメよ?みんな仲良くしましょ。」
「…。」
サーシャの一言に、三人が申し訳なさそうにして椅子に座る。

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