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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 131

「俺の剣にもかかってはいる。しかし、こいつらの魔力には到底およばんぞ。傷一つ付けられない奴が相手では勝負にならん。あの馬鹿に譲った竜狩りの剣ならばあるいは通用するかもしれんが…」
「まぁ、私達は魔導師ではないからな。ルカ、ここは一旦退くぞ。」
「ちっ、しょうがねぇな。おいお前ら、次に会った時は覚悟しておけよ!」
クリスとルカは大通りへ、リグールは城へと歩き出した。
「まったくよ…あのビビリには困ったもんだぜ。」
「そう言うな。確かにリグールの言い分には一理ある。それに、あんな場所で本気をだしたらあの周辺は廃墟になるぞ。」
「ち、おめぇは奴らに勝てねぇなんて言われて悔しくねぇのか?」
ルカは頭の後ろで手を組み、歩きながらクリスを睨む。
「今の状態でも、確実に敗けはしない。だが…倒す事もできないだろう。人間相手には本気になれない。」「けっ、あ〜イライラするっ!帰ってセガルドの奴に慰めてもらうか。」
道端の石ころを蹴りあげるルカに、クリスは溜め息まじりに呟いた。
「今は回復を優先させてやれ。大会が控えているんだぞ。」
「あ〜もうっ!イライラするっ!」
「お前のはムラムラだろうに。」
「うるせぇ!イライラもムラムラも似たようなもんだ!」
「…」
その頃、城に向かう途中の道では…
「おやおや?早かったですねぇ。片付いた…ようには見えませんが。」
「ジンか。貴様、仕事はどうした?」
「いや〜、一段落したので加勢に行こうかと思ったんですが…」
「…ふん。邪魔が入ってな。先客でクリスとルカがいた。」
「成程。だからセガルド君の報復とは恥ずかしくて言えなかったと?」
「なっ違う。あれはサーシャのためであってだな、あの馬鹿のためなどでは断じてない。」
「ふふっ…まぁ、そういい事にしておきましょう。」
そこへ…
「…ちょっと…待って下さ〜い。」
ヴェイルが追って来た。
「なんだ?もう用はないぞ」
「はぁはぁ…歩くの速いですね〜…あのっ…ちょっと尋ねたいんんですけど、アリシス・シルヴァは今、どこに居るか知りませんか?」
「貴様はそれを知ってどうする?」
「いや〜実は彼女、僕の従姉妹なんですよ。」
「何っ!」
「…いとこ…ですか?」
「はい。彼女の母と僕の父が異母姉弟なんですよ。信じられなければ、家系図でも見せましょうか?」
「……」
ジンとリグールは驚きつつも一応、納得はしたようだ。
「それで…彼女の居場所は?」
「アリシスですね。さっき城で見かけましたね…。まだ居ると思いますよ。案内しましょうか?」
「是非♪」
「おい、ジン。こいつを城の中に入れるのか?」

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