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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 130

「…そうでしたね。貴方がいたのを忘れていました。剣を納めていただけませんか?リグールさん♪」
ヴェイルは振り向かずに、自分の後頭部に剣を突きつけられている事を悟った。「貴様、こんな場所で馬鹿みたいに殺気を放つな。城にいるサーシャが脅えて不安と恐怖から夜も眠れなくなりついには体調に異常をきたして万が一にも腹の子に影響して大事になったらどうするつもりだ。死にたいか?」
「はは、馬鹿に殺気はコントロールできませんよ。ただ話し合いで解決したかったのでついつい…ほんと済みません。次からは気を付けますね♪」
「わかればいい。次からは気を付けろ。」
剣を納めて立ち去ろうとするリグールに、ルカは堪らず大声を上げた。
「お、おぃっ!セガルドのために加勢に来たんじゃないのかよ!?」
「ん、何故だ?」
彼がここに現れた理由は、弟の報復ではなく、自分達の身の危険を案じた訳でもなく、ただ、万が一にでも、サーシャが脅える『かも』しれないからその根元の処理に…と理解しているクリスは呆れた顔で見ているだけだった。
「だ〜か〜らっ!セガルドが殺されかけたからその落とし前を…」
「知るか。俺は忙しい。勝手にやってくれ。」
「この…なぁにが忙しいだ!ちょろっと殺気を感じたぐらいですぐ飛んで来やがって!てめぇみてぇな野郎はぶりっこサーシャ様の周りを犬みてぇに一生グルグル回ってやがれ!」
「ルカ…俺の事はいいが、いつサーシャが大便を漏らしたというんだ?デマを流して王政に影響を出すつもりなら貴様でも許さん。」「そのぶりじゃねぇ!あ〜もうっ!帰れ!暇人っ!間抜け面っ!」
「貴様…」
「あ、あの〜もうその辺りで…」
「そうそう、喧嘩はよくないわよ?」
激しい剣幕を破り、ヴェイルとレイラが何故か二人の仲裁に入る。
「…奴の殺気を感じて、まだ解らんのか?ルカ、たとえ俺とお前とクリスが束になったとしても、そいつらは歯牙にもかけないだろう。だから退くのだ、俺は。あんな愚弟などのために命を失う義理など無いからな…」
ルカは何か言おうとしたが、口を開くだけで、言葉がでなかった。
「いや〜リグールさんは聡明でいらっしゃる。申し訳ありませんね〜初めに手を出したのはこちらだというのに…」
「何よっ、ヴェイル。私が悪い様に聞こえるんだけど…」
「違うんですか?」
「違わない訳じゃないけど、あれにだって訳があってね、だって…」
「おいっ、シカトこいてんじゃねーよ」
ルカが会話に割込む。

「つーかリグール、なんで勝てねーと言切れるんだよ?」
「知らんのか?どんな凄腕の剣士でも、なんの魔力も持たない剣では、魔法に打ち勝ちことはできんのだぞ。魔法学校の中等部で習ったはずなんだが…」
「知ってるよ、んなこと。だけど、俺もクリスも武器にはちゃんと付与魔法がかかってるぜ?」

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