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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 124

急いで屋敷に担がれ、救命処置によって一命をとり止めたセガルドだが、五日経っても目を覚まさなかった。
そして五日後の朝…
ぱちっ
「ふぁ〜、よく寝た」
伸びをしようとしたら、身体中が痛かった。
「あら、お目覚め?」
部屋にはセガルド以外、誰も居なかったはずが、椅子に腰掛けにっこりと微笑んでいるレイラ。
「…っ!貴様!ぐ…っ…」セガルドはベッドの横に立掛けてある紅月に手を伸ばそうとするが、思うように体が動かない。
「無理に動かない方がいいんじゃない?胸に穴あいてたんだし。あ、私があけたんだっけ♪」
ケラケラと笑いながらレイラは持っていたナイフで林檎の皮を剥き始めた。
「くっ…なんのつもりでここにいる!?」
「この屋敷に居る連中を皆殺しにしちゃおうかと思ってぇ♪」
「っ!!てめぇっ!!」

「うそうそ冗談よ♪そんなに怒らなくてもいいじゃない。」
「…さっさと屋敷から出ていけ。」
「もぅ、焦らない♪用件は別にあるのよ。実はね…」林檎を一口食べた後、ベッドに近付きセガルドの両頬に掌を添える。
「私には人間の協力者がいるんだけど、彼ったらあなたが大嫌いらしいのよ。彼自身には興味がまったくないから理由は知らないんだけどね。私が興味あるのは彼が持ってる本。」
「…」
「なんか凄い事が書いてあるみたいなのよ。読んでみたいと思わない?」
「…俺は読書が嫌いでね。悪いが早く帰ってくれないか?」

セガルドはレイラを押し退けるが、腕を掴まれベッドに押し倒された。
「うふ♪せっかちねぇ。ゼシカは今、どうしてると思う?」
「…ゼシカ…?」
「あなたとの契約が無くなったから魔界に帰って一人淋しい思いをしてるわよ。可哀想なゼシカ…」
「…」
レイラは唇が触れそうな程に顔を近付ける。
「そこで提案、あなたが彼から本を奪ってくれたら、ゼシカと再契約をさせてあげる。」
「…随分とズルイ話だな。また破棄なんて言われちゃたまらない。」
「もうしないわよ♪人事で勝手すると魔王様にすごく叱られちゃうんだから。」

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