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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 123

「ふふ…試作品の魔人兵一匹すら倒せないあなたに一人で何ができるのかしら?あ、そうそう。あれの作り方を助言して魔族の心臓提供したのは私なの。なかなかだったでしょう?」
「なかなか悪趣味だったよ。あんたのせいでシーガさんは…」
「あはははっ!何言ってるの?彼等を殺したのはあなたとその仲間じゃない♪」「…」
「それにあなた弱いのよ。人間じゃそこそこでも、はっきり言って話にならないわ。」
「な…んだと…?」
「だってほら、一人じゃ魔人兵に勝てないだけじゃなくて…」
「ゴボッ…この…くそったれが…」
「私に胸を貫かれてるじゃない。」
油断した訳でもなく、レイラから目を離した訳でもない。しかし、レイラの腕がセガルドの右胸に突き刺さり、背中まで貫いている。「ぐ…う…」
ズボッ!
容赦なく腕を引き抜き、セガルドの血液を舐めとるレイラ。吹き出すように出血する胸を押さえながらも、セガルドは崩れ落ちるように地面に倒れこんだ。
「ふふ、あなた顔も悪くないしマキの事もあるから放っておいてあげるつもりだったのに残念ね。私、理想卿を創るつもりなの。あなたが生きてたら招待してあげるから♪」
「ゴボッ…ルカ…クリス…ソラ…」
「ふふ、ゼシカなら助けに来ないわよ。あなたとの契約は『こっち』で破棄させておいたから、死にかけてるあなたに気付いてないわ」
「イリス…ゼシカ…」
「じゃあまたね。忌々しい竜族に関わるとまたこうなるかも。あ、その前に死んじゃうかしら♪」
「…リ…リー…セフ…ィ」レイラはにっこりと微笑み闇に溶けこんでいった。
「あ…兄上……ラ…ンド…すまな…い…」
自然と流れる涙と遠退いていく意識の中、微かな足音が耳に入ってきたが、セガルドは直後に意識を失った。
「ふん、白虎王の鼻に何が反応したのかと思ったら…どうせ誰かに恨まれてたんだろう。ほっといて帰るぞ。」
「リグール!冗談を言ってる場合じゃありませんよ!セガルド君!しっかり!」意識を失ったセガルドを助けに現れたのはリグールとジンだった。ジンはセガルドの傷口に両手を添え治療に掛かる。
「出血を少しでも抑えますからすぐにクリスの屋敷へ運びましょう!医者と神官の手配も!早く!」
「ちっ、世話の焼ける…。白虎王、頼んだぞ。」
「御意に…。」
ジンの応急処置のおかげで出血は治まってきたが、危険な状況に変わりはない。「右肺の損傷が激しすぎます。回復魔法の乏しい私では治癒しきれませんから…早く?」
リグールはおもむろにセガルドの胸ぐらを掴み上げると、何度も強烈なビンタを打ち込んだ。
バシッ!バシッ!
「おらっ!起きろっ!サーシャが要らん心配するだろうが!」
「ちょっ!ちょっと待ちなさい!リグール!」
ジンは慌ててリグールを止めに入る。セガルドから反応が返ってこない。
「本当にヤバそうだな。さっさと運ぶぞ。」
「そんな事見てわかりなさい!」

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