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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 114

もう一人、呆れた顔のセガルドの腕を取り、ジュダが高く掲げる。
「勿論、彼も出場するぞ!君達の恨み辛みを彼にぶつけるのだ〜っ!」
「へぇ…えぇーっ!」
「さ、話は終わりだ。これからここは結婚式会場に早変わり。」
パチンッ
と、ジュダが指を鳴らすと、使用人達が一斉にテーブルを並べドコに隠していたのか料理を運んでくる。皆が唖然とする中、セガルドは次を予想し逃げ出したい気持ちで胸がいっぱいだった。
「さぁ!誓いのキスまでゆるりと楽しんでくれ!」
「やっぱり…大衆の面前でキスしなきゃいけないんですね…。」
そこを通りがかったランドとリリー。セガルドから意味不明な手紙を貰って指定された場所に行く途中だった訳だが…
「ねぇねぇランド〜♪あの人集り見て〜」
「何してるんだろうね。でも寄り道してちゃセガルに文句言われちゃうよ?」
「いいじゃんいいじゃん!ど〜せ時間通りに来る奴じゃないんだから♪」
「あ、ちょっと…もうっ」駆け出したリリーを追い掛けるランド。何を見たのかリリーは立ち止まった。
舞台(?)の上で6人の花嫁とセガルドが困惑している。二人に気付いたセガルドは困った笑みを浮かべて手を振っていた。
「なぁにやってんのよ。あいつは…」
「う〜ん…公開結婚式?」状況が飲み込めない二人だが、民衆や貴族連中はまだまだ増え続ける。
周囲の会話を聞き要約すると、これは紛れもない結婚式で、来週、開催される武闘大会にセガルドが出場するらしい。
「あっ!みてみて!セガルがキスするみたいだよ!」「こ、こんなみんなが見てる前で…」
セガルドは頭をぺこぺこ下げながら花嫁達の頬に唇を付けていく。広場が和やかなムードに包まれたかと思ったその時、
「く、く、クリスぅ〜!」「いやぁ!クリス様がセガルドのお嫁さんなんて!」
後方から絶叫に近い大声と人込みを掻き分ける二つの人影。
「おや…トムスとメリルじゃないか。」
「やべ…」
「ぬぁぁんでこんな奴と結婚するのさぁ!最近、隠密部隊から連絡が来ないと思ったらこんな下民がクリスと結婚!?僕は許さないぞ!」
「…あの時のキ○ガイ貴族…はぁ」
「ききき貴様ぁぁぁ!トンビが油揚げかっさらうようなマネしくさりおって!!今日こそ決着をつけてやる!」
そして彼女も…
「クリス様ぁ!退団の理由が結婚なんて聞いてません!セガルド!今日こそクリス様をあなたから奪ってやるわ!」
「略奪愛かぁ…」
「他人事じゃないだろう。まったく…貸せ。」
クリスはセガルドの腰に携わっている装飾の施された儀式用の宝剣を引き抜く。「あ、こら、クリス!」
「お前達、彼が私の夫と知っての狼藉か?何か文句があるなら私が相手となろう。さ、かかってこい。」
「クリスぅ!!ひどいじゃないかぁ!!」
「何がだ。」
「先日、助けてあげた恩を忘れたのかい!?」
「助けを呼んだ覚えはない。勝手に来て勝手に帰ったんだろう?そもそも私とお前は知り合いと言う程に仲の良い訳じゃない。婚姻など寝言もいいとこだ。」

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