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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 113

「義父上!今日は朝から仕事なんじゃ…っ!」
「君の考えなどお見通しなのさ!花婿がそんな格好でどうする!来なさい!」
「うわっネルム〜ッ」
「セガルド、諦めやがれ…ネルムは俺が預かるからよ…」
「ルカっ!」
「はっはっは〜っ!さぁさぁ!来るんだ息子よ!」
セガルドはジュダに引き摺られるように連れていかれてしまった。
中心街を歩く人々は皆が脚を止め見ている。ルクードで知らない人間はいないジュダ・ヴェルナードに引き摺られるセガルドと、それを追う瞳を奪われんばかりに美しい花嫁6人。
それはそれは珍妙な光景だった。
「はっはっは〜っこんな事もあろうかと会場は用意してあったのだよ!」
強引に連れてこられた先は広場のど真ん中。驚愕するセガルドは予め用意してあったテントに引き摺り込まれていった。
「父上の準備が良すぎるな。ルカ、おまえだろう?」「セガルドの動きが怪しくてな。悪いと思いながらもちょいと調べたら…」
「ルカさん知ってたの?」「まぁな、これでも元王国暗殺団だ。黙ってたのは悪かったけど教えない方がよかっただろ?」
「うん♪」
「でもセガルドさん…父に捕まっちゃいましたね…」「ジュダの旦那に詰め寄られてな…わり、」
「セガル様なら大丈夫でしょう☆ふふっ♪」
ゼシカはその場でクルクル回り、嬉しそうにドレスを眺めていた。
「なんだなんだ?」「おぉ!すげぇ美人が6人も!」「あれ…クリス様に似てないか?」
美しい花嫁が6人で広場で談笑していると、次第に人々が集まってくる。これもジュダの計画の一つ。
「お集まりになった皆様!こんにちわ〜っ!」
特設された会場からジュダが大声で喋り始める。
「話の前に、そこの花嫁達の夫を紹介しましょう!セガルドく〜んっ!」
「は、はぁ〜ぃ…」
テントから片手を上げながら出てくるセガルド。クリスと似た造りの白銀の鎧、真っ赤なマントをなびかせてジュダの隣へ。
「ルクードの男性諸君!彼はセガルド!美しい彼女達の心を見事に奪った強者だ!彼が羨ましいか!」
「な、何を言うんで…」
「ウオォォォ!」
まるで地響きのような反応が返ってくる。
「女にモテたいか〜っ!」
「ウオォォォ!」
「ならばルクードの女性諸君に自分の力を示すのだ〜っ!!」
「???」
さすがに困惑する民衆を構わずジュダは続ける。
「来週、闘技場で武闘大会を開催する!優勝者には栄光と3000万ゼニを用意した!我こそはと思う者は出場し奪いとれぇっ!」
「ウオォォォォォォォ!」それを呆れた顔で眺めている花嫁達は…
「聞いた…?」
「父は何を考えてるのかしら…」
「国の活性化と人材調査、財政難も解消するつもりだろう。ちゃっかり参加費もとるみたいだな。」
「なるほどな。さすがはジュダの旦那だぜ。」

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